みなさんこんにちは。ユニリタ戌亥です。
この記事を書いているのと時を同じくして、日経新聞に「テレワーク新常識」として連載が始まりました。第1回は「もう元には戻さない」、第2回は「オフィス中心は終わった」、そして第3回は『「責任あいまい」テレワークで弱点あらわ』でした。
多くの企業は働き方改革の準備はしてきたものの、突然やってきた災難に、
1.これまで準備してきたものを加速させようとする企業
2. 新しく作り直す企業る
3.いつかやってくる平常(コロナ以前の状態)をじっと我慢して待つ企業
などにわかれます。
3.は比較的、少ないように思われます。
しかし加速させるにしても、さまざまな問題が発生します。
第1回の「もう元には戻さない」では日本式の「メンバーシップ型」の採用の問題を提起しております。
欧米型の「ジョブ型」採用にシフトしていくということです。
第3回の「責任あいまい」では、「業務の進捗が把握できない」や「評価の仕組み」そして「組織のあり方」などが課題としてあげています。
前回紹介したタスク管理については、どのタスクの進捗が進んでいるかは把握できるのですが、本年度期初にあげたテーマについての進捗状況は把握できません。
そこの部分は別のやり方で解決することを考えております。
もしも、いいアイデアがございましたらぜひ議論させてください。
さて、今回は採用と新人教育についてお話しします。
少しさかのぼりますが、3月に会社説明会を行いました。
すでに、小中高大は休校になっていた時期になります。
当社では説明会を行うかどうかが議論になりました。他社では多くがWebで説明会の動画を流すということでしたので、当社も、Webで説明会を開くことになりました。
いわゆるYouTubeというやつです。
臨場感を出すためにLive Streamingで計画をしました。
当社ではこれが初めてでした。
会社のある一室に説明会をする講師5名とLive Steamingの配信するための機材を操作する人員4、5名ほどが集まり、YouTubeでのLive Streamingを開始しました。
しかし、同様のことを考えている人が多かったのでしょうか、順調に滑り出したと思いきや、途中からYouTubeが配信できなくなりました。
まさかと思いググってみると、YouTube側でトラブルが続出しております。
多くの人がSNSでYouTubeがつながらないと言っています。
こんな偶然があるのかと思いますが、これがインターネットの怖さですね。
ということで、急きょLive配信をやめて撮影に切り替えました。
そして、学生たちには後ほどビデオ配信をする旨を伝えて、いったんは解散しました。
数日後にビデオ配信をして、視聴した人にのみ、面接の案内をして、3月の中頃から面接をすることになりました。
その時にはまだ、人事部はWeb会議に慣れておりません。
また、学生が必ずPCを持っているとは限りません。
そのため、Web会議ツールを選択するためにいくつかの要件を作成しました。
1.完全クローズドな環境で1対1または1対多(学生が1:当社数名)で面談ができること(この時、面接官は数名で対応す ることを考えていました)
2.学生にはiPhoneもしくはAndroidで参加ができること
3.複数のルームを設けて同時に面接ができること
4.社外の人(学生)がセキュアに参加が可能なこと
5.ログインしてクリック1回で面談を始められること
このような要件に合うビデオチャットツールを探しておりました。
ちょうどその時に当社のSTORE+というアプリケーションに他社が作ったビデオチャット機能を組み込もうとベータテストをしている最中でした。
このビデオチャットはマイクロサービスで提供されており、APIで構築可能なため、セキュリティー上の要件は当社の方で組み込むことができました。
話はそれますが、DXなどで変化の速い現在のIT環境下では、アプリケーションやサービスの開発においても既存のものを積極的に取り込み、実装までの期間をいかに短くし、不要になったらすぐに切り離せる環境を構築できるかが重要です。
当社はこのようにDX実現にむけた自らの経験をお客様に還元しようと実践しています。
話を戻しますが、ITに不慣れな学生でも簡単に利用できるようにするため、ログイン後に大きなアイコンをクリックするだけという仕様にして、すべての学生に平等に面接の機会が提供できるということで、このツールを使いました。
しかし、まだベータ中の製品でもあったので、環境によっては、ビデオはつながるが音声が出ないなどのいくつかのトラブルはありましたが、なんとか無事に面接を終えることができました。
緊急事態宣言が出る前に、目標の内定者数を達成することができ、なんとか本年度の採用を終えることができました。
このドタバタ感は言葉に表せないですが想像してみてください。
問題は新入社員の方でした。
2020年4月1日に入社式を行いました。
しかし、この時には緊急事態宣言が発令されることはすでに決まっておりましたので、入社式のあとに以下のことを説明し、その後にPCを持って帰ってもらいました。
それから地獄の在宅勤務が始まることになります。
在宅勤務を命ずる
出社当日何も知らされっていない新入社員は以下の説明を受けて、在宅勤務を命じられました。
入社式での主な説明(システム関連のみをピックアップしました)
1.PCのセットアップ(ユーザーIDとパスワードの設定)
2.当社の社内ポータルの説明(さまざまな情報がこれにより発信される)
3.メールアカウントの配布と利用方法(特にカレンダーとそのカレンダーにWeb会議のURLが貼られていることの説明)
4.Web会議ツール(Google Meet)の説明
5.VPNの接続方法の説明
新入社員も大変です。
たったこれだけで翌日から在宅勤務を命ぜられるわけですから。そしてこれから6月19日(金)まで、地獄の2カ月半を過ごします。
同期と話すのも、Web会議です。
先輩社員とのつながりもWeb会議です。
会ったことのある役員は社長を含めて数名のみです。
もちろん遠くの大学を出て東京に就職した社員もいます。
東京には知り合いがほとんどいない社員もいます。
外出するのは食事の買い出しぐらいです。
他の社員のように家族がいたり、近所付き合いができていたりする新人はあまりいません。
そういう新人が2カ月半もWebだけで研修を受けます。
幸運にもカリキュラムの電子化は進んでいた
研修のカリキュラムは昨年の10月から用意をしておりました。
しかし、物理的に集まることを前提にしているカリキュラムがほとんどでした。
パソコンの使い方などを教える研修と技術研修(主にプログラミング研修)は事前に社内でWikiを立ち上げて、カリキュラムを電子化しておりました。
電子化と行ってもパワーポイントで作成してそれをUPするだけの電子化ではありません。
課題の閲覧から課題の提出まですべてをWikiに登録ができるような社内システムを独自で作り上げていました。
そのトップページをお見せしましょう。
課題一覧はこんな感じです
課題ページはこんな感じ。
課題の提出状況もみることが可能です。
課題はレビューすることになっているので、レビューもWeb会議システムのレコーディング機能を使って記録をしています。
あとで振り返り、どこの課題が理解できてないか?などがみえるようになっています。
不幸中の幸というべきでしょうか?
これまでの研修は先輩社員が誰か付きっきりになるので、研修内容はついているメンターのみが確認できておりましたが、研修の内容をデジタル化することで、他の人も内容を確認することができるようになりました。
もちろん最初からそのような想定をしてこの仕組みを作ってあったわけではありませんが、たまたまこれをうまく使って研修をすることができました。
ただし、これだけでは解決できない問題があります。それは同期との交流や先輩たちとの交流、健康問題、そしてメンタル的な問題です。
会社に来ていれば、顔色の悪い人は把握することができますが、そうでもありません。
そこで、研修の途中で、スケジュールを変更し、部門ヒアリングというチームワークの課題を作成しました。
内容は簡単です。
部門ごとに若手社員をヒアリング相手として立ててもらい、その人にチームで質問をする。
そしてそれをまとめてもらって、プレゼンテーションをするという課題です。もちろん発表はWeb会議ツールを使いLive Streamingです。
社員が誰でもみられるようにしました。
役員や一部のメンターなどとは、双方向のコミュニケーションができるGoogle Meetを使ってやります。
そして、発表会のあとは、オンライン懇親会です。
役員とメンター含めて30人以上で懇親会をすると収集がつきませんので、新人を5チームに分けて、1チーム4名ほどにし、そこに役員や先輩社員が入って懇親会をすることにしました。
役員や先輩社員は、ミーティングルームに出入りして移動可能なようにしました。
盛り上がったかどうかはチームによりますが、これによって、チームと意識は生まれたと思います。
また、新入社員の現在地がわかり、その後の週2回出社につながっていきます。
チーム外の人との交流はやはり疎になりがちなので、これからさまざまなイベントを考えて開催していきたいと考えています。
次回は、在宅勤務で課題になっているネットワークインフラについて話したいと思います。
連載一覧
筆者紹介
情報システム部
部長 執行役員
戌亥 稔
情報システムはまだ2年目の若造です。
昨年1年は社員の働き方改革を支援するためにSD-WANの構築を行ってきました。
働く場所を固定しない柔軟な情報システムを目指しています。
本年度はデジタル変革(DX)をお客様に提案してきた経験を活かしてユニリタの社内システムのDXを目指しています。
コメント
投稿にはログインしてください