概要
組織の「タテのマネジメント」に対し、チームマネジメントは「ヨコのマネジメント」と言えます。タテのマネジメントについては世の中で様々に謳われていますが、実際の職場で働いているのは人であり、各々の職場の「チーム」です。知的で快活なチームは、解くべき課題を正しく見つけ出し、集合知を発揮します。知恵とノウハウは自然に伝承され、応用進化を繰り返し、ひいては事業の発展に貢献することができます。チーム本来の力を取り戻す、チームマネジメントの方法論をご紹介します。
前回は「チームを育てる三つの学習」のうち、「計画立ての場」についてお話ししました。 大日程計画はチームと事業を繋ぐものであり、計画そのものの背景・目的・ 目標をチームで共有することが重要です。 中日程計画はチームとチームを繋ぐ場であり、問題解決の場です。 中日程計画を立てる場で心配事や懸念を挙げきり、これを解決するための諸策を盛り込み、「出来る計画」として実行に移します。 また、チーム間で中日程を共有することで連携すべき点やクリティカルな事柄を把握できます。 小日程はチームとチームメンバーを繋ぎます。仕事の段取りや準備も含め、2~4時間単位に分解し、抜け漏れを無くすことと、メンバー間で仕事の進め方の適正を確認します。 今回は集合知発揮の場についてお話しします。
3、チームを育てる三つの学習
協調し、より高い知的応力を発揮する」】( Tom Atlee )
● 準OK:条件付きで前に進めること。未達部分は次行程に送るなど。
● 準NG:本来は止めるべきだが、次行程を進めながら並行して対処する。
● NG:行程を止めてやり直す。不合格。
2日目の未明、反転帰営することにし、進軍を再開しますが、渓谷に迷い込んでしまいます。隊員の一人が目的地への道を思い出したと言い、再び方針を変更し本来の目的地へ向かおうとします。しかし、さらに道を誤り深い谷へ入り込み戻る道まで見失ってしまいます。三たび方針を変更し再度帰営をめざしますが、3日目になっても帰路を発見できず、凍傷で倒れるものが続出。統制もとれなくなり散り散りになってしまいます。5日目に捜索隊が遭難者を発見しますが、訓練参加者210名のうち、199名が死亡という大惨事となりました。
進退窮まったかに思えたとき、ある隊員が偶然ポケットから地図を見つけ出します。この地図を頼りに行軍を再開し3日目に無事本体と合流することができました。偵察隊の上官が帰還を喜んだのもつかの間、その地図を確認して衝撃を受けます。その地図はアルプスのものではなくピレネー山脈のものでした。
実際は別の山だったのですが(おそらくはルートは酷似していたでしょうが)信じるに足る道筋を明示し、確信を持った行動を引き出し継続させたことが生還へと導いたのだと思います。一方、青森第5連隊は正しい地図を持っていたにもかかわらず、隊員の思い込みを信じて右往左往した結果、遭難してしまいます。
連載一覧
筆者紹介
1990年電機メーカーの開発者を経て、日本能率協会コンサルティング(JMAC)に入社2011年JMACグループであるFMIC社へ移籍、現在に至る JMAC所属時から、プロジェクトマネジメント、開発効率化、商品戦略、商品企画、標準化など、主に開発部門へのコンサルティングに従事し、50社以上のコンサルティング実績がある。近年は、場のマネジメント(Ba+)による職場チームの知的生産性向上へ注力している。
コメント
投稿にはログインしてください