これまで2回にわたり、社内のPC更新とそこからでてきたPCの活用事例をご紹介してきましたが、今回はPCを廃棄する時のデータ消去についてお話します。
当初NPOにPCを提供するにあたり、こちらで廃棄する場合の費用の範囲でNPOにも多少の協賛金を払うことにしましたが、協賛金では寄付金扱いなので、なかなか承認が受けにくいためデータ消去費用としました。NPOの活動は土日が多いので、最初は私がNPOの活動拠点に出向き、データ消去の作業を確認していましたが、FORMATと違い、実際にデータをすべて書き込むデータ消去は時間がかかり、HDが10Gもあると1時間もかかってしまいました。同時に10台くらい消去しても、半日で消去できる台数には限りがあり、平日や夜間はだれもいない場所にPCを山済みしておくことに不安を覚えました。そこで、私がNPOメンバーになり、NPOとして、会社の場所を借りて事前にデータ消去を行うことで、安心してPCを提供でき、会社もNPOにデータ消去費の名目で費用を払えるようにしました。これが私がNPOメンバーになった経緯です。今はNPOメンバーになったおかげで、NPOメンバーとの技術的なノウハウの勉強や寄贈先とのコミュニケーション等,私の財産にもなっています。
データ消去の話に戻しますが、最初はNPOにライセンス提供されていた消去ツールを用いていましたが、今は数が増えたので、LINUXのフリーソフト(DBUN)を使っています。PCを集めて驚くのは、ほとんどがそのままの状態で届くことです。信用してもらっているのだとは思いますが、FORMATするとか、せめてMyDocumentの中身は消すとかはすべきだと思います。中にはBIOSのパスワードがかかったものもありますが、これまでの経験では、すべて解除できていますのでデータ漏洩には役に立ちません。
Windowsのパスワードでもデータは取り出せます。よく新聞にPCが盗難にあい、パスワードがないと起動しないからと言い訳されていますが、ノウハウさえあればデータは取り出せます。DELL社のサイトではBIOSパスワードのRESETが紹介されています。COMPAQのPCのマザーボードにはジャンパSWにPWDと書かれていました。経験のある人なら、他のPCでも試行錯誤で解除できます。弊社はWindows2000を標準にした時に、ファイルシステムとしてセキュリティに強いNTFSを選択しましたが、Windowsが起動しないPCでデータを救って欲しいとの相談をよく受けますが、LINUXでCDから起動するKNOPPIXを利用するとNTFSのファイルでも簡単に取り出せて、USBメモリにデータを退避できます。丁度MS社という警備会社が刑務所の塀を高級な装備で二重三重に警備していても、空からLINUX製のヘリでいとも簡単に囚人を連れ出すようで、やっていると快感を覚えます。弊社ではアプリ配信ソフトを使い、データ消去ツールをダウンロードできるようにしていますが、ほとんど使われていないような気がします。これも1回目の投稿で指摘した文化の問題かもしれません。あなたの会社のPCは廃棄するときにどうされていますか?
信用の置けるNPOを利用するのも、一つの方法で、地球環境を守ることにもなります。 関心のある方は、このサイトのお問い合わせコーナーより依頼し、私へのコンタクトを依頼してください。
PC更新とリユースとデータ漏洩防止
3回にわたり、約12,000台のPC更新の苦労とそこから生まれて私のライフワークとなったPCリユース活動やデータ漏洩の防止について、ご紹介します。(連載終了)
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筆者紹介
長年Beaconユーザ会で研究活動の第一線で活躍され、その後、研究会会長、ユーザ会幹事等を歴任されました。運用部門に8年在籍後、データベース設計、海外システムの開発・運用、インフラ系の整備推進等の多くの業務に精通されたシステム部門の「匠」的存在の方です。 現在は、会社でのお仕事は勿論のこと、本文にもありますNPO活動、奥様との月1回の国内外の旅行等、盛りだくさんの日々をおくられています。
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