- 目次
- 新入社員研修がもったいない時間になっている?
- OJTが終わっても戦力にならない?その理由
- 新入社員にいきなりDX研修!?5つのメリット
- DX推進の研修で身につく実践的ビジネススキル
- 研修の最終成果は「+DX認定資格試験」で
新入社員研修がもったいない時間になっている?
4月1日も過ぎて今年も新入社員を迎えた企業も多いと思います。
希望あふれる20代の新入社員たちに期待を寄せたいところではありますが、つい最近まで学生であった彼ら。そんな彼らを何の前提もなくビジネスの世界に放り出すのはリスクが高いので、新入社員研修を行う会社がほとんどでしょう。
その新入社員研修ですが、貴社ではどのようなことを行っていますか?
- 名刺の渡し方や挨拶、電話のとり方などのビジネスマナー研修
- 業界のレクチャー
- ビジネス文書作成のマナー
- 情報セキュリティについて
などが代表的な例でしょうか。
研修以降は1年ぐらいOJTを行って来年には戦力にする…貴社でも概ねこういったケースに該当するのではないかと思います。
しかし、ビジネスシーンにおける変化が急激に速くなった今、これでは悠長すぎて非常にもったいないと私は断言します。
OJTが終わっても戦力にならない?その理由
先述したように研修の後は1年ぐらいOJTを行うケースが多いでしょう。しかし新入社員たちを実際の戦力にしていくことを目論んでいたものの、OJTが終わる頃には戦力にならず、また「追加対応」をしなければならないことが発生する可能性が高くなります。
ここで言う追加対応とは再度の採用活動および再教育のことを指します。
「せっかく研修したのに、また研修させるのか!?」
となるかもしれませんが、これには2つの理由があります。
1つめは離職・転職率の高さです。
厚生労働省が2022年に発表した「新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します」によると、平成31年3月に卒業した新規大学卒就職者における3年以内の離職率が31.5%でした。この数値は事業所規模が小さいほど高く、事業所規模5人未満の事業所では実に55.9%にのぼります。
要はせっかく研修して手塩にかけてOJTで育てたのに、OJTが終わった頃には、いやむしろOJT期間中にあっさりと辞めていかれる。そしてまた採用して再び研修を行う羽目になってしまうのです。
2つめはビジネスシーンの変化の速さです。
ご存じの通り、数ヶ月でAI(人工知能)における発展が急速化し、あっという間に一般レベルにまで浸透し始めました。こういう状況になると既存のビジネスモデルでは対応しにくくなり、ビジネスモデルを変化させるためまた勉強や研修を行うことが想定されます。
これまでのような教育では、会社自体がビジネスシーンの変化についていけなくなるのです。特に新入社員の若手たちはこういった対応を冷ややかに見ているので、ビジネスシーンの急速な変化に対して会社がまごついている間に、先述したとおり3年以内で退職するといったことにつながるのです。
これまでの新入社員研修〜OJTの方法では、新入社員たちが育つ前にリセットされてしまうことになりかねないことを視野に入れていただく必要があります。
新入社員にいきなりDX研修!?5つのメリット
では、どうしたらよいか。システム管理者の会の文脈としてお伝えするなら、ズバリDX推進の研修を新入社員に行うことを提案します。
いきなりDX? と懐疑的になるかもしれませんが、実は20代の新入社員だからこそのDX推進研修を行うメリットが高いのです。理由として次の5つを挙げます。
1.デジタルネイティブな視点を持つことで提案するようになる
20代の新入社員はデジタルネイティブな世代であり、デジタル技術に親しんで育ってきたためデジタル技術を活用することに対して自然な感覚を持っています。DXについての教育を受けることで、ビジネスにおいてデジタル技術を活用する際に、より自然な視点を持って提案していくことができるようになるでしょう。
2.柔軟性が高いので新しいアイデアを生み出すようになる
20代の新入社員はまだ業務に慣れていないため、ビジネスの常識に捉われずに新しいアイデアを生み出すことができます。DX推進研修を受けることでデジタル技術を活用した新しいアイデアを生み出すことができることになるので、企業にとって新しいビジネスチャンスを創造する可能性が広がります。
3.ビジネスにおける新しいトレンドをキャッチしやすくなる
20代の新入社員は、新しいトレンドを先取りする傾向があります。DXについての教育を受けることによりDXに対する新しいトレンドに敏感になるため、ビジネスの未来を見据えた戦略的なアプローチを取ることができるようになります。
4.早くビジネスの中核を担う役割を果たすことになる
DXは未来のビジネスを担う上で欠かせない変化・進化であり、ビジネスの成長や競争力を高めるために必要不可欠です。こうしたDXの教育を20代の新入社員に行うことで、彼らが率先してビジネスの中核を担う役割を持つことができます。そうすることで彼らは役割に対するアイデンティティを形成しながら業務を推進し、その結果として企業の成長に早く貢献することができるようになるでしょう。
5.キャリアアップの機会を提供することができる
DXの教育を受けた新入社員たちはDX推進するための課題解決に積極的に取り組むようになるため、企業におけるDX推進戦略の中心として活躍することができます。こうした取り組みによって新入社員たちはキャリアアップの機会を得ることができるため、新入社員たちの自己実現につながるとともに、企業にとっても優秀な人材になります。
以上、新入社員研修においてDX推進研修を行う5つのメリットがあることを解説しました。
新入社員たちはビジネスマナー研修の大切さも知っていますが、それ以上に早く仕事で活躍したいと
意気込んでいます。「石の上にも3年」ということわざがありますが、変化が速くなった今、新入社員たちにとって3年も待てない状況であることを理解しなければなりません。
DX推進の研修で身につく実践的ビジネススキル
DX推進の研修を行うことで身につけるべきスキルとはどのようなスキルがあるのでしょうか。ITスキル?プログラミング?いえいえ。それらではありません。もちろんITスキルは最低限必須ですし、プログラミングもできないよりはできたほうがよいことには変わりません。
しかし、あくまで社内体制や社外へのコンサルティングを目的とするならば、もっと大局的な考え方やビジネススキルがほしいところです。そこで、DX推進について研修を行うことを提案いたします。
DX推進について学ぶことで備わるビジネススキルについて、次の5つを紹介します。
1.革新性・創造性
デジタル・トランスフォーメーションにおけるイノベーションやスタートアップとしてのマインド、ならびにリーンスタートアップ手法など、従来のビジネスモデルにはない革新性や新たな創造性を生み出すためのスキルです。
2.実現性・計画性
DX推進するための考え方や計画はもとより、実現するアイデア出しからPoC、顧客にとって最適な構築システムの提案まで、実現への提案とそれに基づいた計画(プランニング)を行うスキルです。
3.生産性・付加価値
DX推進する上で必要となる技術やサービス(IoTやAIなど)の導入、デジタル化した場合の生産性や原価、人的レベルの考え方など最終的な顧客価値創造の基本をなします。
4.継続性・人材育成
DX推進には予期せぬことも発生することから、仕様変更など可変性や不確実な未来への対応を行う能力が欠かせません。そのような中でも粘り強く対応していく継続性も不可欠でしょう。また人材不足が続く日本社会においては、DXを推進する人材の育成として考え方・手法などを伝承していくことも必須です。
5.共創・顧客視点
大前提として顧客の価値に立脚した視点で考える能力に加え、社内・社外における連携する能力や合意形成など、プロジェクトを動かす上で欠かせない共創能力も最後に加えておきます。
これら5つのビジネススキルはプログラミングや英検のような目に見えるスキルではないものの、DX推進だけではなく長期的に見ても欠かせないビジネススキルであることは間違いありません。
私たちビジネスパーソンの多くは、これらのスキルを10年〜20年かけてなんとなくのレベルから身につけてきました。しかし、ビジネスにおける変化のスピードが速くなった昨今では、早い時期から体系的に教育することから始めたほうが良いでしょう。
したがってじっくり時間をかけて学ぶことが出来て、なおかつ吸収力が高い新入社員研修にDX推進の教育を行うことが適するのです。
研修の最終成果は「+DX認定資格試験」で
では、研修を行ったらそれで終了…ではもったいない!研修後に研修の成果を目に見えるようにしてビジネスの現場に出てほしいものです。
そこで、IoT検定制度委員会が主催する「+DX認定資格試験」を活用してみてはいかがでしょうか。
DXの基礎力を測る「DX推進最初の認定資格」として位置づけている+DX認定資格試験。先述したDX推進におけるビジネススキル「革新性・創造性」「実現性・計画性」「生産性・付加価値」「継続性・人材育成」「共創・顧客視点」を測る試験です。
新卒の新入社員たちは最近まで学生だったこともあり、こうしたテスト勉強を行うのは慣れているはずですから、一生懸命に取り組んでいただけるでしょう。
本試験はオンラインでかつ通年で受験可能ですので、企業様サイドで日程を決めて研修の最終テストとして社内で受験いただけます。
ぜひ+DX認定試験をご活用いただき、新入社員の研修から成果、ならびに早期ご活躍につながれば幸いです。
詳しくはこちらから。
http://www.iotcert.org/plusdx/
連載一覧
筆者紹介
DX時代の人材育成・教育支援を行う株式会社サートプロ代表取締役CEOとして、IoT検定制度委員会 事務局長、経済産業省地方版IoT推進ラボ・メンターとして、中小企業・製造業向けにIoT人材育成の啓蒙活動を行う。
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