DXリーダー人材を育成するために必要な5つの基礎能力㉛

第31回 DX関連資格に挑戦して、スキル武装しよう!

概要

「DXリーダー人材を育成するために必要な5つの基礎能力」で紹介した内容について、 DX推進する上で欠かせない知識とマインドを8人の専門家がお伝えします。

2025年がスタートし、心機一転、今年の取り組みをあれこれ決めた方も多いことかと思います。

世の中の進化が益々速くなっていく中、DXリーダーのみなさまも、乗り遅れないためにも、日々スキルアップが必要ですね。

今回は、これまで資格試験通算530勝を達成している私が受験した資格試験の中で、資格名に”DX”という名前がついているものにフォーカスをあて、それぞれの特徴をご紹介します。

目次
(1) DXパスポート試験/DX推進アドバイザー認定試験/DXオフィサー認定試験
(2) 業務DX推進士認定試験
(3) DX検定/DXビジネス検定
(4) DX基礎能力試験
(5) その他

(1) DXパスポート試験/DX推進アドバイザー認定試験/DXオフィサー認定試験

URL : https://www.joho-gakushu.or.jp/dx/dx-exams/
主催 ; 一般財団法人 全日本情報学習振興協会

基礎、中級、上級と3つのレベルの試験が用意されています。それぞれ、60問、100問、100問の選択問題で出題されます。(私が受験したときは、上級は100文字程度の記述問題が5問出題されていましたが、現状はなくなったようです。)
DXの現状、技術、展開の3つの分野から出題され、レベルとともに、2択問題が減り、それぞれの分野の範囲が広がっていきます。
DXを一から少しずつステップアップして学ぶには、ちょうどよい試験です。
試験は約3か月ごとに開催されていますので、1年かけて初級から上級まで目指すことができ、計画を立てて勉強しやすい試験です。
なお、資格の更新が必要で、毎年資格更新のためのオンライン授業を受けることで、スキルの維持ができるようになっています。(人によっては、更新は面倒と考えられる方もいますが、私は毎年アップデートできる機会が役立っています。)

 

(2) 業務DX推進士認定試験

URL : https://ecio.jp/dx.html
主催 : 一般社団法人 IT顧問化協会

中小企業において、日常の業務でDXを推進していくために必要な考え方や取り組み方を学べます。
試験では、DXに関連する技術はあまりなく、業務上でDXを推進するための考え方や、実現方法に関する問いが多く出題されます。
試験は、IBT(Internet Based Test)形式なので、インターネットに接続できる場所であれば、どこからでも受験でき、40問いずれも選択式の問題です。
試験費用が他に比べるとちょっとお高いですが、合格するとカード型の認定証が発行されます。

 

(3) DX検定/DXビジネス検定

URL : https://www.nextet.net/kentei/test/index.html
     https://www.nextet.net/kentei/dxbiz/
主催 : 株式会社ネクストエデュケーションシンク

DXに関連する最新テクノロジーを扱う先端ITトレンドと、現状の利用シーンを扱うビジネストレンドの双方から出題されます。
日々、新しく登場する様々な用語について、しっかり理解できているかどうかを、シラバスを見ながらセルフチェックすることがとても勉強になります。
先端ITトレンドとビジネストレンドを満遍なく出題する”DX検定”と、ビジネストレンドに比重を置いた”DXビジネス検定”の2種類が用意されていますので、ご自身の役割にあわせてどちらを受けるかを決めるといいでしょう。
また、いずれの試験についても、合格・不合格の判定ではなく、取得したスコアに応じて、3段階の認定レベル(スタンダード、エキスパート、プロフェッショナル)が用意されていることも特徴的です。
定期的に受検して、自らの苦手分野を見つけたり、認定レベルを上げていったりするなど、継続的なスキルアップに役立つ試験です。
試験時間はいずれも60分間で、DX検定は120問、DXビジネス検定は96問とかなり出題数が多いため、あまりじっくり考えて解くことはできません。

 

(4) DX基礎能力試験

URL : https://www.jmam.co.jp/hrm/dir/dx_certification/
主催 : 株式会社日本能率協会マネジメントセンター

今回紹介している試験の中では、最も新しく2024年7月に第1回の試験が開催されました。
DXリテラシー標準に準拠し、DXの背景、DXの技術、データ活用、マインドスタンスの4分野20項目から出題されます。
この試験も60分間で120問出題され、じっくり考える時間はあまりなく、取得したスコアに応じて、2段階(DX入門人材、DX推進人材)で認定されます。
タイトルに”基礎”という名前がついているように、エンジニアの方には少し物足りないかもしれませんが、その他の方にとっては、DXを業務で活用するための基本スキルを学ぶためのきっかけにふさわしい試験です。

 

(5) その他

以下の3つの試験は、いずれも金融業に特化した検定試験ですが、金融業の方だけでなく、他の業種の方にとっても自分たちの業種への応用ができる部分もあるため勉強になります。
DXに関する資格試験がそれほど数多く存在しない中、貴重な存在といえるでしょう。
なお、DXビジネスデザイン試験は、事例から問題点やヒアリング項目を記述する問題もあり、実践的な出題でした。(2025年3月からは記述問題が2題から3題に増えるようです。)

・金融業務3級 DX(デジタルトランスフォーメーション)コース
URL : https://www.kinzai.or.jp/kentei/3e5.html
主催 : 一般社団法人 金融財政事情研究会
※2025年7月からは、「金融業務3級 DX支援コーディネータコース」という後継科目に変更されます。

・銀行業務検定試験 CBT DXサポート/ DXビジネスデザイン
URL : https://cbt-s.com/examinee/examination/khk-DX
     https://www.khk.co.jp/exam/exam_detail.php?pid=54266&oid=37
主催 : 銀行業務検定協会

 

 

これはというものが見つかりましたでしょうか?ぜひ、気になる試験がありましたら、URLのリンクから各ページに飛び、詳細を調べてみましょう~

ぜひ2025年はボチボチ勉強を積み重ね、どこかのタイミングで資格試験にチャレンジし、スキル武装したDXリーダーを一緒に目指しましょう!

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筆者紹介

松尾 圭浩(まつお よしひろ)

1994年大阪府立工業高等専門学校電気工学科卒業。社内業務システムの開発、運用、IT系講習会の講師としてこれまで従事。
現在は、ETロボコン関西・北陸地区事務局局長、IoT検定ユーザー試験開発WGメンバー、EdgeTech+(旧ET & IoT)カンファレンス委員として、初級組込み技術者の教育支援を行う傍ら、 自らも資格取得を精力的に行い、2025年1月現在、資格試験通算530勝を達成。これからも、コツコツ「一生勉強」の精神で突き進んでいく。

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