SAA 合格体験記

第1回 SAA合格体験記

概要

数多いAWS認定資格のなかで、受験者数が多い試験であるソリューションアーキテクト試験(SAA)についての合格体験記になります。試験の概要・特色・傾向だけでなく、複数の受験者の体験をまとめて記事としました。
また、読者の方で自分も受験体験/合格体験を公開したいという方がいらっしゃる場合ご連絡ください。全部書ければ可ですが、文章が書けない場合でもライターによるサポート有対応ができます。薄謝ありです。せっかくの唯一レアな受験体験をたくさんの人に共有しましょう。
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システム管理者の会 事務局
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目次
試験の概要
頻繁に範囲が変わるSAA
試験の範囲その1
試験の範囲その2

試験の概要

AWS認定 Solutions Architect(ソリューションアーキテクト)アソシエイト(SAA-C03)試験についての合格体験記になります。
この試験は、AWS認定 Cloud Practitioner(以下AWSクラウドプラクティショナー)試験が実施される前に、一番受験された試験です。そして今でも「AWSクラウドプラクティショナーは簡単すぎて自慢にならない。これを受験しよう」とする方が多数います。そして合格できずに沈没するというオチがつきます。初心者にとってそれなりに歯ごたえがある試験です。
まず、AWS認定のアソシエイト試験には3つあります。

レベル 資格名 問題数/時間 内容/対象
基礎コース Cloud Practitioner 65問/90分 AWS クラウドの基礎的な理解を目的とした知識ベースの認定。非 IT 系で、AWS クラウドのキャリアを模索している方も対象。
アソシエイト Solutions Architect – Associate 65問/130分 幅広い AWS のサービスにわたる AWS テクノロジーに関する知識とスキルを認定。
SysOps Administrator – Associate 65問/130分 AWS クラウド環境をサポートするチーム内で貢献し、「即戦力」になるための経験とスキルを持っていることを実証。
Developer – Associate 65問/130分 AWS のコアサービス、使用、基本的な AWS アーキテクチャのベストプラクティスに関する知識と理解、および AWS を使用したクラウドベースのアプリケーションの開発、デプロイ、およびデバッグの習熟度を認定。

参照 https://aws.amazon.com/jp/certification/ から

このなかで、「幅広い AWS のサービスにわたる AWS テクノロジーに関する知識とスキルを認定」するのが、Solutions Architect – Associate になります。

そして、受験料、受験前提経験、試験時間などは以下になります。

対象:AWSクラウドで適切なシステム設計を行うことができる
AWS経験値:1年以上のAWS実務経験を有する個人
難易度:中等度
試験時間:130分
受験料:150ドル(約19,000円)、模擬試験:20ドル(約2,000円)
出題形式:65問/択一選択問題または複数選択問題
合格は1000点スケールで720点

CLF(クラウドプラクティショナー)の時には1000点スケールで700点以上でしたが、今回の試験の合格基準は720点になります。
また、受験対象者が「AWS経験値:1年以上のAWS実務経験を有する個人」とありますが、実務経験なくても受験可能ですし、実務経験者が過信して勉強せずに、微妙な点数になるケースも多数見受けられます。また、合格しても、そう概要やSAAの範囲を完璧に理解しても、実際にAWSのシステムを「上手く」構築できるかというと微妙です。これもまた予算や状況、外的/内的環境によるからです。

 

頻繁に範囲が変わるSAA

SAA試験ですが、2023年6月時点での試験名はSAA-C03です。
「C003」というのは、改定が複数回(2回)発生しているためです。

試験名 実施期間
SAA-C01 ~2020年3月頃
SAA-C02 ~2022年8月頃
SAA-C03 現行

SAA試験は、ほぼ2年毎にupdateしています。

 

試験の範囲その1

SAA試験の範囲ですが、現在のSAA-C03の範囲(出題比率)は以下の通りです。

分野  ータスクステートメント ー 出題比率
第1分野 セキュアなアーキテクチャの設計 30%
1  AWS リソースへのセキュアなアクセスを設計する。
2  セキュアなワークロードとアプリケーションを設計する。
3  適切なデータセキュリティ管理を判断する。
第2分野 弾力性に優れたアーキテクチャの設計 26%
1  スケーラブルで疎結合なアーキテクチャを設計する。
2 高可用性、フォールトトレラントなアーキテクチャを設計する。
第3分野 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計 24%
1 高パフォーマンスでスケーラブルなストレージソリューションを選択する。
2 高パフォーマンスで伸縮性があるコンピューティングソリューションを設計する。
3 高パフォーマンスなデータベースソリューションを選択する。
4 高パフォーマンスでスケーラブルなネットワークアーキテクチャを選択する。
5  高パフォーマンスなデータ取り込みと変換のソリューションを選択する。
第4分野 コストを最適化したアーキテクチャの設計 20%
1 コストを最適化したストレージソリューションを設計する。
2 コストを最適化したコンピューティングソリューションを設計する。
3 コストを最適化したデータベースソリューションを設計する。
4  コストを最適化したネットワークアーキテクチャを設計する
 合計 100%

<SSA-C03 試験範囲>

また、C01からC02、C03へと移っていくうちに、どの範囲の問題が増加したかのグラフが以下になります。

C02からC03に移り、セキュリティ面での問題が多くなりました。更新の受験者(つまり新旧試験の受験)も「セキュリティ的に優位」を問われる問題が多くなったとの回答を寄こしています。また、C01では出題されていた「オペレーショナルエクセレンスを備えたアーキテクチャを定義する」がC02ではなくなりました。
また、試験結果ですが、当日に画面に表示ではなく、5営業日以内に結果をメール通知という形式に変更されました。現在当日に結果が分かるのは、CLF(クラウドプラクティショナー)、Machine Learning、SAP on AWS のみという噂です。

 

試験の範囲その2

SAA-C03の試験の出題範囲のサービスと機能の個数は以下の通りです。参考までに、現行のC03と旧C02の個数を並べました。

  カテゴリ C03 C02
分析  11 6
アプリケーション統合 7 3
AWS コスト管理 4 2
コンピューティング                8 2
コンテナ                6 2
データベース                     11 5
デベロッパーツール  1 0
フロントエンドのウェブとモバイル  4 1
機械学習                             11 0
マネジメントとガバナンス 19 8
メディアサービス               2 0
移行と転送                8 6
ネットワークとコンテンツ配信  9 7
セキュリティ、アイデンティティ、コンプライアンス 20 12
サーバーレス         3 2
ストレージ             7 7
   計 131 63

<出題されるAWSサービス>

 

上表のように、サービスが計131に増加しています。ちなみにC02では計63サービスでしたので、約2倍です。とはいっても、試験範囲として定義されているだけであり、実際の出題割合はC02と変わらないという声もあります。
さらっと眺めますと、C02からC03に移行されてもまだ残っているサービスは重要です。さらに、分野別の推移を見ますと、赤字の「セキュリティ」関連、単純にサービス数が多い赤枠の「セキュリティ」関連と「マネジメントとガバナンス」、さらにC02→C03へ移行しても数の増加変動が少ない青枠の「移行」「ネットワーク」「ストレージ」は安定して問題が出題される(=安定して得点が取れるネタ)と考えても良いと思います。過去問も多く、勉強しやすく、学習した分だけ報われる可能性が高い領域です。

 


次回に続く

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