システム管理者のためのBookCafe

Vol.125 「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
A’s Review

もともとは、うまくいかなかった業務を改善するのにどうしようかなと考えながら、もう少し具体的な言葉で書かれている本を探していました。
するとなぜか、お勧めにこの本が出てきて、妙に興味がわき読み始めました。

 

内容紹介

 

 

「答えのないゲーム」を楽しむ 思考技術

高松 智史 著
 

――答え=正解のない課題にどう立ち向かうか?――

★3000人以上に「考え方」を教えてきた元戦略コンサルの著者が記す思考の秘訣!
★この1冊で「考えること」が楽しくなる!
★ベストセラー『変える技術、考える技術』『フェルミ推定の技術』の著者、待望の4冊目!

(本書の内容)
第1章「答えのないゲーム」の戦い方をしませんか?
▼「答えのないゲーム」にはこの3ルール
①「プロセスがセクシー」=セクシーなプロセスから出てきた答えはセクシー。
②「2つ以上の選択肢を作り、選ぶ」=選択肢の比較感で、“より良い”ものを選ぶ。
③「炎上、議論が付き物」=議論することが大前提。時には炎上しないと終われない。

第2章「示唆」
▼ファクトから示唆=メッセージを抽出するためのキーワード
①「見たままですが」
②「何が言えるっけ?」
③「それは何人中何人?」

第3章「B◯条件」
▼炎上を回避し、議論を健やかにする思考技術
①A(自分の意見)とB(相手の意見)を真っ向から対立させて議論してしまうと、「答えのない」ゲームにおいては、「水掛け論」になってしまう。
②だからB(相手の意見)を直接否定してはいけない。相手の意見を直接否定した瞬間に水掛け論に突入する。
③だからB(相手の意見)が○となる(成立する)「条件(b)」を提示して、その「条件」を否定(a)する。

第4章「ゲーム&ゲーム」
▼思考プロセス、問題解決プロセスを体得する

①論点を立てる。
②ファクトから示唆を抽出する。
③仮説をつくる。
④仮説を検証する。

第5章「5つのゲーム感覚」
▼「答えのないゲーム」とその先へ
①答えのないゲームVS答えのあるゲーム
②ボジョレー思考VSロマネコンティ思考
③理解ドリブンVS暗記ドリブン
④100分の70VS100分の3
⑤アーティストモードVSクリエイターモード

実業之日本社 紹介ページ)

 

A’s Review

私たちは、ビジネスでも私生活でも、答えのないゲームを日々実践しているのだなと感じさせられる本です。

この本は、まず「答えのあるゲーム」と「答えのないゲーム」とは何か?を説明しています。答えがあるのは簡単に言うと、学校で行われるテストです。先生が〇を付けるのが答えです。しかし、ビジネスや人生では、正解が誰にもわからないことがたくさんあると思います。
簡単な例として、友人と何を食べに行く?という問いが書かれています。
複数のお店の選択肢を挙げて、友人とどこに行く?といった相談するのが普通ですよね。こういった簡単な問いならさほど議論もなく決まると思いますが、ビジネスや人生にかかわるような場合などはそうはいかないので、よりよい選択肢が答えとなります。ですから、選択肢をどのようにあげるか、ほんとうにそれだけか、選択肢の順番はあるかなど、選択肢(この本では示唆とも表現)のあげ方の技術について説明しています。
次に選択肢を選択する際に行われる議論に関する技術として、相手の意見を否定する場合、炎上しない否定のやり方、出した選択肢の仮説検証のやり方などなど、2章から4章までは、答えが無いのであれば、より良い答えに近づけるためにどうすべきか例を挙げながら説明しています。

この本で、少し驚いたのが、「これは暗記してください」と書かれている箇所が何度かあることです。「暗記」というと、歴史の年号だとかただ単に記憶するだけの知識で応用力はないと思っていました。
しかし、その答えが5章にありました。技術を使う上で、その技術の使い方を知っておかなければならないということですね。この本では、著者独自の言葉や表現が多く使われていることもあり、歴史の年号を記憶するみたいな感覚になったのかもしれません。感覚を磨く、または違和感を覚えるといったことも大切なのだと思いました。

この本は、辞書のように何かわからない問いを求められたとき、その解決する手法として何度も読み返すと思います。
きっと、何度も読み返すうちに暗記してしまっていることでしょう。そして暗記していれば、読み返す時間も手間も不要になるということなのだと思いました。

この本を読み終えて、少し後悔しています。時間的な問題もありもっとじっくり時間があるときに読むべきだったと。
また、この本よりも前に読んだほうが良いと思われる本があるようです。この本の中に、筆者が好きな本や筆者の本が出てきていますので、理解を深めるために今度はそれらも手に取ってみようと思いました。

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コメント

筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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