システム管理者のためのBookCafe

Vol.133 明日の自分が確実に変わる 10分読書

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Taka’s Review

本コラム「BookCafe」ではオススメの本を紹介しておりますが、会員の皆様はその情報をどの程度活用されていますでしょうか。本好きの方であれば掲載を心待ちにしてくださっている方がいるかもしれませんが、そうでない方も少なからずいらっしゃると思います。
そこで、まず会員の皆様にもっと本を読んでいただくために、読書の効果や、気軽に読書を楽しむコツについて紹介したいと考え、本書を選びました。

 

内容紹介

 

 

明日の自分が確実に変わる 10分読書

吉田 裕子
 

本を読んで世界を広げる。身の回りにないものと出会い、憧れに向かって頑張る努力のお供に本がある。塾の最難関大クラスで国語を教える著者が実践する「人生を切り拓く読書術」

塾の講師として国語を教えるほか、カルチャーセンターの講座や企業セミナーも担当する著者が、多忙な日々の中で、気軽に読書を楽しむコツ、読書によって何を得ることができるのか、人生の中で影響を受けた本について語ります。
「未知の世界だった都会へ憧れを抱く」「受験勉強に必要な読解力が身につく」「起業家になる夢を支える」「国文学の面白さにハマる」
著者の経験、具体例を交えながら、読書の素晴らしさを紹介します。

集英社 紹介ページ)

 

Taka’s Review

読書は自分にどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか。技術書であれば、当然、求めていた知識が得られます。小説であれば、感動したり、自分の人生を変えたりするような経験をすることもあると思います。もちろんそういったことを期待して読書するわけですが、読書にはその他の効果もあります。その「効果」によって、自分を成長させてくれたり、「なりたい自分」に近づけてくれたりするのであれば、ぜひ「読書」を有効活用したいところです。好きな本を読んで、知識を広げたり感動したりしながら、さらにその他の効果を得られたら儲けものですよね。

本書では、読書で得られる効果として、「語彙力」、「客観力」、「想像力」を挙げ、それぞれ具体的に説明しています。ただし、読書してからその効果が現れ、役に立つまでには時間がかかります。また読書に費やした時間や労力がどんなものに変わったのか、変換効率を確認することも難しいといいます。
目の前の仕事に役立てたいのであれば、新聞、雑誌、インターネットからの情報を得る方が効率はよく、すぐに結果が出るかもしれません。そこはやはり、目的によって使い分けるのが良い方法と言えます。よく言われるように、即効性のある情報を得るならインターネットで、そして、より確かな知識を、周辺の情報も含め系統立てて得るなら書籍で、ということです。「読書」は、じわじわと効いてくるのを期待して、楽しみながら続けるのが良いようです。「明日」ではないかもしれませんが、読書の効果によって確実に何かが変わります。まず語彙力のアップによって言葉遣いが変わっていきます。客観力のアップにより自分の置かれた状況や内なる思いを冷静に捉えられるようになります。また想像力のアップにより他人の心境、斬新な価値観などへ視野が広がります。
また読書は、知識や情報の「インプット」ですが、読書後には「アウトプット」の能力を伸ばすこともできます。主に文章などで発信する企画書や提案書、メールの文章1行に至るまでアウトプットのレベルが上がります。

読書によって得られる効果は理解できましたが、読書を簡単に習慣化することは難しいと思います。読書をしない、または、習慣化できない理由として、「時間が無い」ことがよく挙げられます。そこで、本書では10分間だけ読書する環境を作ることを進めています。小学校には「朝の10分読書」という時間があります。自分の娘(小学生)に聞いてみると、やはりほぼ毎日この「朝読」というのをやっているそうです。この10分という時間は、大人になってからでも読書習慣をつけるためにほどよい時間の単位だそうです。また時間を確保するというより、「本を読むしかない」環境を整えることが、習慣作りに役立つらしいです。朝起きてからの10分、寝る前の10分、電車の中での10分、仕事前のコーヒーと共に、など環境を整える方法があります。また、すぐに手の届く範囲に本を置いておく、というのも良いみたいです。ということで、毎日10分だったらなんとか読書環境を作れそうですよね。

また作者は「なにから読んだら良いかわからない」という相談もよく受けるそうです。基本的には好きな本から読めば良いそうですが、本との「出会い」は大切だと言っています。特に、これまでにあまり本を読んでこなかった人が、これから読書を習慣にしてみようと思っているならば、初めに読む本は慎重に選んだ方が良いそうです。最初に選んだ本がつまらないと、「読書」自体がつまらないものだと思ってしまいます。そうならないためにも、1冊目には自分にとって価値のある本=心が動く本を選ぶ必要があります。しかし、自分にとって価値のある本=心が動く本はどんなものか分かりませんよね(個人的には、必要に迫られて技術書を読むことがほとんどですから)。本の選び方の詳細も、本書に記載されています。まず本屋さんに行って、タイトル、表紙、帯、ポップを眺める、小説ならアンソロジーから、ビジネス書なら著者のプロフィール、「はじめに」、「おわりに」でピンときたもの、などなど。
「座右の書」クラスに出会うのはなかなか稀だと思いますが、良書クラスであればいろいろなレビューを参考にしてみるのもよいと思います。ということで、本コラム「BookCafe」で掲載しているオススメの中から選んでみる、というのはいかがでしょうか。ちなみに本書の作者に最も影響を与えた本は、小学校時代に読んだ「少女パレアナ」(愛少女ポリアンナ物語の原作)だそうです。人生を変えるくらいに影響のあった本だと聞くと、ちょっと読んでみたくなりますよね。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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