システム管理者のためのBookCafe

Vol.57 「わかりやすい」文章を書く全技術100

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
YUKI’s Review

仕事をするうえで、「この内容で相手に伝わっているか?」に重点をおかず、「私の伝えたい思い」を述べてしまうことがよくあります。
その結果、内容や思いを伝えきることができずに何度も同じやり取りをしたり、誤った認識を与えてしまったりします。

 

この悩みを解決する技術を学びたいと思いこの本を選びました。

 

内容紹介

「わかりやすい」文章を書く全技術100
大久保 進 著
 
本書の目的は「わかりやすい文章を書く技術を、身に付けてもらうこと」です。

……(中略)……
本書と同じように、「分かりやすい文章を身に付けてもらうこと」を目的とした本は、多数出版されています。ですが、これらの類書の中には、掲載されている技術の数が不十分であるものも多いです。技術の数が足りなければ、当然、わかりやすい文章を書けるようにはなりません。

 

本書には、合計100の技術を掲載しました。類書に載っている技術は、ほぼ漏れなく、本書に掲載されているでしょう。

(「はじめに」より抜粋)

 

YUKI’s Review

本書のタイトルから「わかりやすく」伝えるための技法が100種類も載っていることがわかります。
100種類は多いと思うかもしれませんが、1つ1つの技法には「良い例」「悪い例」が簡潔に書かれているので、スッと頭に入ってきます。
さすが、タイトルを【「わかりやすい」文章を書く全技術100】としているだけはあるなと思いました。

 

今回、私が本書でなるほど!と感じた3点の技法について触れさせていただきます。

 

①一文一文を短く
私もよくやってしまうことなのですが、相手に伝えたいことが多い・複雑といった場合によくあるケースです。
伝えたい一心で、情報をいくつも上げた結果、本当に伝えたい情報がうまく伝わらなくなってしまいます。

 

このような場合は、不要な情報をなくすことはもちろんなのですが、文章の一文一文を短く区切る、短くまとめる、話の順番を入れ替えるなどすると、結果的には同じ量のことを伝えたくて書いた文章でも文章の区切りがわかりやすくなるので、相手に伝わりやすくなります。

 

さて、2段落目の文章をあえて長くしてみたのですが、いかがでしょうか。
今度は同じ内容で一文一文を短くしてみます。

 

このような場合の解決案は、不要な情報をなくすことです。
他にも文章を短く区切る・まとめる、順番を入れ替えるなどの解決策もあります。
一文一文を短くすると、同じ量を伝えたい文章でもきれいにまとまります。
その結果、相手に伝わりやすくなります。

 

まだまだ直せるところはあると思いますがいかがでしょうか。
最初の文章と比べると多少は見やすくなったのではないでしょうか。

 

②わかりにくい単語は使わない
横文字や専門用語などを使うと「使いたい意味ではなかった」「相手に伝わらない」といったことがあります。
文章を短くしてわかりやすくすることも大切なのですが、場合によっては逆にわかりにくい文章となってしまうことがあります。

 

例)
1.「ミーティングでイニシアチブを取りつつインタラクティブに物事を考える」
2.「打ち合わせで主体的に話を進行しているが、相手側の意見も取り入れるようにして物事を考える」

 

1と2どちらもほとんど同じ意味なのですが、どちらのほうがわかりやすいでしょうか。

 

1の方がパッと見た時の文章が短くてわかりやすいように思います。
ただ、細かく見ていくと少々難しい言葉が含まれているため、すぐに理解できない(言葉の意味を考えてしまう)のは私だけでしょうか。

 

③文章の構成を考える
本書の引用になりますが、文章の基本構成は次の6項目になります。

 

「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「何を」「どうした」

 

この6項目は基本的なことなのですが、項目を省略してしまう、違う順番にしてしまう、などはよくやってしまうのではないかと思います。

 

例)
1. タクシーに岡山市内で19日未明歩行者がはねられる事故がありました。
2. 19日未明、岡山市内で歩行者がタクシーにはねられる事故がありました。

 

1と2どちらも同じことを言っています。
ただ、1は文章の基本構成から外れてしまっているため、内容を理解するのに少々時間がかかってしまいます。
2は基本構成通りの順番で文章が書かれているため、すぐに内容を理解できます。

 

最後に。。。
「わかりやすくするために気を付けていること」が本書内では良い例として挙がっていることもあれば、悪い例として挙がっていることもあります。
意外な部分で分かりにくくしてしまっているケースもありますので、ご一読してみてはいかがでしょうか。

 

アナログで行きましょう。と言いつつ、今回ご紹介したのは電子書籍でした。
本を読むなら紙派の方も、本書で電子書籍デビューはいかがでしょうか?

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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