システム管理者のためのBookCafe

Vol.84 「未来のチーム」の作り方

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
yoshi’s Review

新型コロナウイルスの影響で、世界中で働き方を変革せざる得なくなっています。今まで当たり前と思っていた対面での打ち合わせ、会社に出社することを前提に作られた管理、仕事のやり方が変化しています。まさに今、私自身も日々、使ったこともなかったオンライン会議を使って仕事を変えています。「先端」企業だけの「すごい事例」が、普通になったとき、私自身どのように仕事を進めるか?そんな問題意識を持ったとき、本書を手にしました。

 

内容紹介

 

「未来のチーム」の作り方


藤村 能光(ふじむら・よしみつ)著

 

「働きやすさ」や「チームワークの価値」を伝え続けるメディアが自分たちで実践している、「次世代型チーム作り」の秘訣を伝授。
時間と場所に縛られない「自由な働き方」を実現させる「オンラインコミュニケーション」の活用方法とは――?
「今後はみなさんの会社でも、さまざまな働き方の変化がおとずれるはずです。
そんなとき、僕らが挑戦し続けてきた『未来のチーム』作りの経験が、何かしらの形で参考になれば嬉しいです」(本書より)

「チームワークの面白さ」と「個人が自立することの大切さ」を、ぜひ感じてみてください。

扶桑社 紹介文抜粋)

 

yoshi’s Review

副業を認め、就業時間も個人で決め、場所を選ばずに仕事をしているサイボウズ社は業界を超えてその取り組みは有名です。私自身が、アナログでこのコロナ禍がなければ、在宅勤務はしたことがありませんでした。そんな私が、否応なしにリモートワークに向き合うときに、参考にしたいと思って手に取りました。 

本書の特徴は「ツール」の話に終始しないことです。サイボウズ社なので、当然(?)自社の製品を使っている話ですが、機能ではなく、マネジメントの仕方、人とのコミュニケーションをオンラインでどのように取っていくのかを実務に即した話で進むので、実務担当者としては非常に参考になりました。本書の一部を挙げてみますと、

・自由に働くには「希望」「宣言」「実態」が必要
社員ひとりひとりが、自分にとってベストな働き方をするためには、会社・チームにコミットするものが必要となる。

・リモートワークは孤独に陥りやすい
コミュニケーションツール上の文字情報だけのやり取りでは不十分。デジタルを進めるのに、きわめてアナログ的なことも重要になる。特に、仕事と関係のない「雑談」をいかにするかが大切になる。

・ツールの先には必ず「相手」がいる。ルールを作ると「相手のこと」を考えなくなる
自分以外のだれかとやり取りをする中で、相手の事情、環境も考えないといけない。商談中かもしれない。返信がないのに、仕事で困っていることがあるかもしれない。ルールだけで縛るのではなく、相手のことを考えたコミュニケーションが必要。

場所だけでなく、世代、働き方が違うメンバーとどのように、働いていくのか?自由な働き方にともなって、リーダーはもちろん、メンバー自身にも「個人の自立」が求められるのは、確かに納得でした。デジタルで完了するのは難しく、逆に先にいる「相手」への気遣い、思いやりといったアナログ的な要素がないと、うまくいかないという話にはなるほど、と思いました。どうしても、ツールの機能、やり方などのルールに目が行きがちですが、それだけではないということですね。

働き方改革が叫ばれ、なかなか進まなかったものがコロナ禍で加速して変化しています。新型コロナウイルスが終わっても、以前のようには戻らない世界で、私たちがどのように働いていくかの参考になる本書です。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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