システム管理者のためのBookCafe

Vol.88 ビジネスで活かすサービスデザイン  顧客体験を最大化するための実践ガイド

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Masaaki’s Review

サービスデザインとは何か? それは顧客の切実な要求「カスタマーペイン」を発見し、ビジネスや組織を変化させペインキラーとなる新しいサービスシステムをデザインすることだ。このような圧倒的なサービスを提供することによってこそ、企業は収益を得る。
サービスデザインネットワーク(SDN)を主宰するBirgit Magerは、「サービスデザインは、サービスインターフェースが、顧客の視点から使いやすく期待に添うものであり、提供者の視点から効率的で差別化されることを目指す」※1という。
つまり、サービスデザインは、顧客とビジネスにとって欠かすことのできないものだ。

 

内容紹介

ビジネスで活かすサービスデザイン
顧客体験を最大化するための実践ガイド


ベン・リーズン 、ラヴランス・ロヴリー 、メルヴィン・ブランド・フルー (共著)、高崎 拓哉 (訳)、澤谷 由里子 (監修)

 

サービスデザイン分野をけん引するLivework社の創業者を含んだ3名の著者が、ビジネスにおけるサービスデザインの実践方法をわかりやすく解説したガイドブックです。
実践に至る前に、2つの章を使い、なぜ今サービスデザインが求められているのかという背景と共に基礎を説明し、その後で具体的な成功事例を交え、顧客体験の改善方法やビジネスの課題に対処する方法、組織の課題に対処する方法を示していきます。消費者・企業・行政に向けたサービスに携わる人のための、顧客体験の作り方がわかる実践的な一冊です。

ビー・エヌ・エヌ新社 紹介文抜粋)

Masaaki’s Review

現在、コンサルティングファームで働く私は、顧客のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を実現するための支援が増えてきています。

特に製造業では、「モノ」から「コト」への変革について、緊急性が高い課題として取り組みを開始されており、生産技術からサービス品質による差別化を重要視し始めている製造業は、少なくありません。

これまでの経験から私は、「モノ」から「コト」への変革に必要なものは、
下記なのではないかと考えています。

顧客体験価値を高め、顧客目線で物事を考える(サービスをデザインする)。
顧客体験データを基に継続的にサービス改善を図るプロセス。
企業内にある業務プロセスすべてを、顧客体験価値と整合させる。
業務プロセス変革に伴い、求めるケイパビリティと評価指標を見直す など。
DXを実現するためには、上記のような考え方、活動が必要と考えており、その中で一番重要となるのが、「顧客目線で物事を考える(サービスをデザインする)」ではないかと考えています。

そこで、出会った本がこの一冊です。

この著書では、サービスデザインの必要性、サービスデザインの概念、実現手法(組織やプロセス等)など、上流から下流まで説明がされているため、サービスデザインをより深く考える良いきっかけとなりました。

これまでは、サービスデザインプロセスの1つであるカスタマージャーニーを描く際の考慮事項として、サービスの利用される顧客をイメージし、描いていくということを考えておりました。

ですが、この著書を読み、「顧客のライフサイクル」を可視化し、それを基にデザインすることが重要であると気付くことができました。
※サービスを既に利用されている人をイメージするだけでなく、顧客体験の中でどのようにサービスを顧客が把握し、サービスを利用し始めるのか。といった視点も必要。

皆さまの職場でも、DXの取り組みが進められてきているのではないかと思いますが、顧客視点に立ち、改めてサービスをデザインしなおす。ということをご検討されてみてはいかがでしょうか。

顧客あってのビジネス。この思考を忘れてしまっては、今後の企業の成長は、止まってしまう可能性もあるので、ぜひこの著書を皆さまも読んでみてください。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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