システム管理者のためのBookCafe

Vol.108 ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Tanaka’s Review

本書は、株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックという会社でITサービスマネジメントやITガバナンスのコンサルティング、研修を行っている最上千佳子さんが書かれている書籍です(出版は日本クイント株式会社時代。日本クイント株式会社は2022年4月1日に株式会社ITプレナーズジャパン・アジアパシフィックと統合)。ITILについての知識もない私がITILの資格を取るための知識を身に着けるために、今回ははじめの一歩という題名からこの本を手に取りました。

 

内容紹介

ITIL はじめの一歩 スッキリわかるITILの基本と業務改善のしくみ

最上 千佳子 著

この本の対象者は、ITILについての知識を知りたい人はもちろんのこと、一言で言えば、「人生も仕事も成功させたい人」です。IT関連の業務についている人だけでなくそうでない人にも是非読んでいただきたいです。ITILはIT業界の人のためのものと思われがちですが、それは大きな誤りでどの業界にも参考になる知識がたくさんあります。この本では初めてITILを勉強する人でも理解しやすいよう、ケーススタディを用いてITILの基本をなるべくわかりやすく解説しています。

翔泳社 紹介ページ)

 

Tanaka’s Review

ITILという言葉は聞いたことはあるが詳しく説明して、と言われると困る方は結構多いのではないでしょうか。私自身ITILという言葉の意味も分からず、この本を手に取りました。本書は、タイトルにもあるように、初めてITILを勉強する人でもわかりやすく解説されていてITILの概要、どんな導入メリットがあるかをITに疎い私でも理解ができるようにさまざまなケーススタディを交えて丁寧に説明しています。
ケーススタディの中でも「喫茶店にITILを導入したらどうなるか?」では、よく勘違いしやすいインシデント管理と問題管理について、を喫茶店での事例をもとに紹介があります。またこの章では、改善をすればするほどトラブルが増えるという題名でリリース管理及び展開管理についてのストーリーがあります。思い付きで良いアイデアを取り入れたとしても、実際提供する際に失敗ばかりしていては意味がないという発見から、テストをして失敗がないように準備することの大切さや、新しいリリース内容やいつ展開するかを関係者に伝えることの重要さをストーリー形式、会話形式で学ぶことができます。
この本を読んで、ITILの知識以外にも2つ学びがありました。
1つ目が広い視野で様々な角度から物事を見ることの大切さです。
担当者だけの目線で「自分は精一杯頑張っている」だけでなく「組織としても価値をあげるためには」などの管理者目線での視野を持つことでまた違った意見や発想が持てること。
2つ目が他の人と協働して何かを成し遂げることの大切さです。
自分だけが改善しても結果としては組織が動くことはないと思います。組織改善をしていくには、自分の意見だけを聞いてもらうだけでなく、その組織のいろいろな人に相談や意見をもらい取り入れて改善案を作成していくこと。そうすることによって、組織全体が少しずつ動いていくこと。どちらも今後のお仕事をする際に重要になっていくのではないでしょうか。
こういったITILの知識以外にも新たに発見があるのでITIL初心者の方はもちろんのこと新社会人の皆さんにも是非読んでみてほしい本です。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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