システム管理者のためのBookCafe

Vol.10 今日の一冊:Facebookを使ってブランドを育てる実践ノウハウ

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
TAKU’s Review

Facebookがついに日本でも本格普及しそうです。2011年1月中旬頃から国内ユーザー数が急増し、2011年3月末で訪問者数が750万人を超えています。このペースは2009年夏から2010年にかけて爆発的に普及した当時のTwitterと状況がかなり類似しており、本格的な普及カーブに入った可能性が高いと予想されています。

今後はますます企業利用も増加するはずで、皆様の職場におかれても「Facebookをうまく使えないものか?」という話題がちらほら出ているのではないでしょうか?

そこで今日は、Facebookの基本をおさらいしつつ、企業利用を検討する際のヒントを得るのにピッタリな一冊をご紹介します。

 

内容紹介

 

「Facebookブランディング~Facebookを使ってブランドを育てる実践ノウハウ~」

株式会社ループス・コミュニケーションズ

深谷 歩(著)

コミュニティの運営から広告出稿まで、ブランド認知度を上げる手法が満載!

出版社:翔泳社 http://books.shoeisha.co.jp/book/b86724.html

 

TAKU’s Review

1. Facebookの魅力とは?

Facebookの魅力はなんといっても、6億人を越えるユーザー数にあります。中国の10億人、インドの7億人、そしてFacebookの6億人と、もはや一つの巨大な国家レベルの人口を誇っています。プラットフォームとしてGoogleを脅かす存在に成長し、トラフィックとページビューでは既に上回っています。少し前に「Googleで検索してホームページが見つからない企業は存在しないも同然になる」と言われましたが、今後は「ホームページがなくても、Facebookがあれば問題ない」という時代になるのかもしれません。

 

2. 企業利用に使えるのか?

Facebookの優れた点の1つに、強力なコミュニケーション機能があります。Facebookに登録するユーザーは、本名、年齢、性別、地域や婚姻状態、職種や趣味など、様々な属性を登録します。このユーザー特性をもとに広告を打つことが出来ますので、従来のテレビCMに比べればより正確かつ低コストでのコミュニケーションが可能です。

また、今までのように、企業側から一方的に配信して終わりにはならないのもポイントです。例えば、本書で紹介されているStarbucksの事例では、ウォールをオープンに公開してファン同士が語り合う場としています。ファンとのコラボレーション企画や求人募集もFacebook上で行われており、広範かつ密接なコミュニケーションの場を構築した成功例と言えます。

ただし、日本国内だけに目を向ければ、まだまだFacebookを企業利用するメリットは小さいと言えます。本書によれば、2010年末時点の月間アクティブユーザー数は200万人弱で、mixiやGree(とも2000万人以上)と比べてもかなり小さい規模です。

今後は急速に普及するのではないかと予想されていますが、これからFacebookの企業利用を検討される場合には投資的な視点も必要です。

 

3. どう使えばいいのか?

本書の優れているところは、先進的にFacebook利用を始めた企業の成功事例が多数掲載されていることです。一つ一つをこちらでご紹介することは出来ませんので、うまくいっている事例に共通するポイントだけ書きたいと思います。

Facebookの企業利用に成功している事例に共通しているのは、どれも「目的が明確になっている」ということです。売上を増やしたいのか、WEBサイトへのアクセスを増やしたいのか、就職活動中の学生を呼び込みたいのか、それともユーザー同士のコミュニケーションの場としたいのか。成功している企業はFacebookの使い道をあらかじめきちんと検討し、目的を定めた上で、そのために必要なコンテンツを整えています。

目的を明確にすることを怠ってしまうと、とにかくページを開設してニュースを配信しているだけになりがちで、これでは盛り上がりにかけ、ユーザーも訪れてくれなくなってしまいます。「そもそも何のために運営しているんだっけ?」という状態にならないようにしたいものです。

また、目的を決めたら、その達成度合いを測るための目標も設定しましょう。例えば売上の増加を目指すのであれば、顧客単価が何%増加したのか、就職活動中の学生を呼び込みたいのであれば、何人がファンになり、そのうち何人がエントリーしてきたのか、という具合です。そしてこの目標を達成するための施策を考え、その結果がどうだったのか、必ず効果を測るようにしましょう。目的を決め、達成度を測るための目標を設定し、その目標を実現するための施策を考える、これは失敗しないインシデント管理のコツと同じですね。

 

 

かいつまんでのご紹介となりましたが、さらに突っ込んだ内容を知りたい方は、是非本書をお読み下さいませ。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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