システム管理者のためのBookCafe

Vol.1 今日の一冊:仕事上の境界を取り払うための新たな視点をもつ

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
TAKU’s Review

はじめまして。

コラム「システム管理者のためのBookCafe」コーナーでレビュアーをつとめさせていただくTAKUです。 IT業界の営業をやっております。

 

このコーナーは、システム管理者の方にお勧めの本をご紹介するコーナーです。

技術的なものに限らずに、ビジネス本やライフスタイルに関するものなど幅広くご紹介していきたいと思っています。

 

第1回はハーバードビジネススクールの参考書にも用いられているという、ビジネス本のご紹介です。

そう言ってしまうと少し難しく聞こえてしまうでしょうか。しかし中身はとても実践的で新しい切り口が新鮮な読み応えのある本です。確かに少し厚いですが…

 

経営層の方はもちろん、これからビジネスを立ち上げたいと思っている方、ビジネスにおけるマネジメントに対して漠然と興味のある方にも、是非読んでいただきたい一冊です。

 

内容紹介

 

「バウンダリーチーム・イノベーション

境界を超えた知識創造の実践」

児玉 充 (著)

 

あらゆる境界(=バウンダリー)を超えたとき、組織としての能力は、最大限に発揮される。

人、企業、産業などの間にはあらゆる境界(バウンダリー)が存在する。この境界を超越するチームを本書ではバウンダリーチーム(Teams of Boudaries)と呼び、21世紀型イノベーション実現のカギとして提唱する。様々な実例を交えて、バウンダリーチームを体型的に類型化し、知識創造に向けた実践的知見を提供する。

 

出版社:翔泳社 http://www.seshop.com/product/detail/12023/

 

TAKU’s Review

この本は、

「現代社会は『強みの再利用』が求められる社会だ」と強く主張しています。

 

昨今、事業のライフサイクルが極端に短くなったことで、製品・サービスが次々と現れては消えてを繰り返しています。実際に、ついこの間新発売で店頭に並んでいた飲料水が、数ヵ月後にはコンビニから姿を消し、一年後にはもう、随分前のもののように感じたりすることはないでしょうか?

 

そういう中で勝ち組と言われる企業の多くは、次々と領域を広げ、新しい事業に着手し、話題をさらっているようです。

 

競争が進む中で、企業が持続的な成長を維持するには、コアコンピタンスという「強み」に根ざした『主力事業』を持つことに加えて、主力事業と相乗効果を発揮できるような『周辺事業』を開拓していかなければならないと、この本は教えてくれます。

 

地理的に分散した店舗を利用しATMサービスを成功させたセブン‐イレブン・ジャパンや、他企業と積極的にアライアンスを組んで「iモード」という巨大なモバイルマーケットを生みだしたNTTドコモは、『強み』を活かして『周辺事業』を開拓してきた企業の代表と言えるでしょう。

 

文中、ゼロから新たに新分野を開拓するよりも、「24時間営業の全国展開」という『強み』を「小売店舗」から「ATM」にそのままスライドさせて再利用したからこそ、スピード感を持った事業展開ができたという成功例が紹介されています。

 

バウンダリー(=組織の内外にある様々な境界)を超え、強みを再利用できる新しい分野を開拓する力を組織の中に根付かせていこうという意思を、この本に強く感じました。

 

ちなみに、iモードの事例に関しては、NTTドコモでおサイフケータイの普及の責任者を務めた平野敦士カールさんの著書『1の力を10倍にする アライアンス仕事術』(ゴマブックス) が非常にわかりやすいので、興味のある方は合わせて読んでいただくのがお勧めですよ。

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コメント

筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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