システム管理者のためのBookCafe

Vol.36 最速の仕事術はプログラマーが知っている

概要

書籍のインク独特の香りを感じながら、出会ったことのない世界、新たな発見、体験してみませんか?

目次
内容紹介
Rie’s Review

書店に行くとたくさんの仕事術の本が並んでいますが、今回はタイトルで思わず手に取ってしまった、仕事術の本をご紹介します。

 

内容紹介

「最速の仕事術はプログラマーが知っている」
清水 亮 著
なぜ今、ビジネスの頂点にプログラマーあがりの人が君臨しているのか?

スティーブ・ジョブズはこんな言葉を残しています。
「アメリカ人は全員コンピュータのプログラミングを学ぶべきだと思うね。なぜなら、コンピュータ言語を学ぶことによって考え方を学ぶことが出来るからだ。」

ビル・ゲイツ(Microsoft)ラリー・ペイジ(Google)ジェフ・ベゾス(Amazon)マーク・ザッカーバーグ(Facebook)といった経営者は、みんなプログラマー出身者。プログラミングから学べる思考法こそ、彼らのビジネススピードの原動力なのです。

プログラマーの世界には、こうしたムダを削ぎ落とすための数々の原則や仕組みがあります。本書ではそこから導き出される実践的な仕事術を、国家認定天才プログラマーであり、経営者でもある著者が伝授します。
(クロスメディア・パブリッシング紹介文抜粋)
 

 

Rie’s Review

本書は、システム管理者の皆さんなら一度は聞いたことがある用語が多く登場します。そのためとても読みやすく、紹介されている事例も「あるある」と思ってしまう内容が多いです。プログラマーの知っておくべき3つの原則を軸に仕事術を紹介しています。

【KISS原則】(Keep It Simple, Stupid!)
シンプルにしておけ、という意味です。
誰が見ても理解できるようシンプルにしておくことが大切です。例えば、企画書で情報を詰め込みすぎてしまうと、結局何が言いたいかが分からなくなってしまいます。伝えたいメッセージはシンプルにした方が明確になり、説得力が生まれます。

【DRY原則】(Don’t Repeat Yourself.)
同じことは繰り返すな、という意味です。
自分の仕事を効率的に進めるために、仕事上で典型的なことをすべて再利用可能な状態にしておくことが大切です。例えば、良く使う用語(「よろしくお願い致します」など)を辞書登録しておくことで、毎回のキータイプを減らすことができます。

【YAGNI】(You aren’t gonna need it.)
たぶん必要になるだろうではなく、本当に必要になった時に必要なものを作成する、という意味です。
企画書や設計書を書く時につい機能を膨らませ過ぎてしまいますが、結局利用されなかったり、そもそも実現しなかったりしてしまいます。まずは「今必要なのはどれか?」ということを意識することが大切です。

その他にもOLの日常生活を例に挙げ、毎日の生活で繰り返されている要素をできるだけ減らすことで、多くの時間が生まれることを説明しています。これも「最適化するには、ループ(繰り返し)の内側を最適化しろ」という考えに基づいています。このようにプログラマーの考え方には、日常でも当てはまるものが多くあるのです。

考え方だけではなく、すぐに実践することができる具体的なツールの使い方も多く記載されています。1つ1つの取り組みで削減される時間は少しかもしれません。しかし、その積み重ねによって大きな効果を生むということを改めて実感しました。


本書でプログラマーの考え方を学び、日々の生活に活かしてみてはいかがでしょうか。

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筆者紹介

“システム管理者のためのBookCafe” レビュアーのご紹介
●システム管理者の会 推進メンバー
システム管理者の会の企画・運営をする推進メンバ―が、会員の皆様にお奨めする本をご紹介してまいります。

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