増田 栄治(ますだ えいじ)
株式会社ビーエスピー取締役 専務執行役員(営業本部管掌、株式会社ビーエスピーソリューションズ代表取締役社長)、全能連認定マスター・マネジメント・コンサルタント。
現在、ITサービス企業における経営戦略および組織戦略分野のコンサルタントとしても活躍中。
BSPから推進委員として活動しています増田です。
私は、IT系営業の出身で、このIT業界は27年目になります。
部下には、IT系コンサルタントやSEも多くいるため、これからのシステム管理者像はどうなっていくのかなど、日々感じていることを書かせてもらいます。
若い技術者の方と話していると、自ら何かをしたいという意欲が感じられません。
決められたことはしっかり出来る(マニュアルやガイドがあれば)、優等生に見えます。しかし、自分たちで考え、何かを決めるということが苦手に見えます。
なぜなんだろうと考えてみると、要因としてインターネットの普及も一つと考えられます。
自分もそうですが、ネットで検索して簡単に必要な答えを出してしまう。自分で考えることをする前に、結果を導き出してしまっている。そこに書かれていることが正しいことが前提になってしまっている。
その根拠・その手法に行き着くプロセスを自分で考えたり、知ろうと努力をしていない。結果しか知らないため、なぜそうなるのかを説明できない。本当に正しいことなのかを疑いもしない。また、一人の力でインターネットは調べられてしまうので、他の人との議論がなくなっています。
非常に怖いなと思うことがあります。ITの世界は日進月歩で進んでおり、今の考え方がどんどん変化・成長していっているのに、受け取る情報に流させれているのではないかと・・・
企業は、結果も求めているが、その根拠・プロセスもノウハウとして必要としています。
一つの情報に対して、いろんな角度から議論を重ねることで、よりよいものが生まれると思います。
象徴的なケースが、企画会議などでパソコンを持ち込まず、ホワイトボードなどに向かって、図を書きながらわいわいがやがや話しながら議論すると、いろいろなアイデアが膨らんできます。一方、皆の発言をワードでスクリーンに出しながら議論しても会話が弾まない。
きっと人間の脳みそはコミュニケーションすることで活性化され、考える力が養われていくのだと思います。
システム管理者の方々は、もっと多くの人とコミュニケーションをとるべきなのだと思います。
仕事がら、一人黙々と働くことが多いのではないでしょうか、身近なことやITで必要なことを発信し、また受信することでコミュニケーション能力を高めることが出来ると思います。
システム管理者の会のポータルサイトは、有益な情報を受信するだけでなく、自分の意見を書いたり、疑問に思うことを書いたり、回答したりできるサイトです。
facetofaceのコミュニケーションが一番ですが、同じ悩みを抱える人同士でのサイトでの情報交換もコミュニケーションアップにつながると思います。
facetofaceのコミュニケーションが一番ですが、同じ悩みを抱える人同士でのサイトでの情報交換もコミュニケーションアップにつながると思います。
もう一つ気になる点は、システム管理者の人たちからは、競争意識が欠如しているように感じることです。
確かに日本の教育現場では、1位を決めない運動会や主役が何人もいる学芸会が今はあたりまえ(ゆとり教育)で、団塊の世代(メインフレーマ)のような競争社会で育っていない。
会社に入り、同好会のように働く人たちがいるのは仕方がないのでしょうが、皆さんが勤める企業は、グローバルに競争してしているため、求められる能力がない場合は、今後必要とされなくなる。インドや中国の優秀な技術者が大量に日本に進出してきていることでもわかるように、自ら学び・鍛錬する必要があると思います。
ベテランのシステム管理者の方々は、今の若い世代を、カーリング型(背中をそっと押し、押しブラシをこすりつつ周囲が働きやすい環境作りに腐心する)に育てるのではなく、周囲がもっと厳しく鍛錬させる環境を作ってあげるべきです。
日本のシステム管理の世界は、他のアジア圏にはない歴史(コンピュータの初期の時代から)と技術を伝承する文化があります。日本のシステム管理の特徴は古いものと新しいものが混在する環境です。利用者から見れば必要時に使うことが出来ることが重要であり、最新のIT技術だけが重要ではないはずです。システム管理者の方々が、年齢を問わずコミュニケーションをとることで、世界で活躍できるシステム管理者たちを育てることが出来ると思います。
システム管理者の会は、システム管理者認定講座やポータルサイトを通じて、メンバーの方々のコミュニケーションのきっかけとなるよう、ITシステム運用を支えるすべての人たちを応援したいと考えています。
株式会社ビーエスピー取締役 専務執行役員 増田 栄治
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