システム管理者の会では6月8日(木)に「第3回 IT女子座談会」を開催しました。
「IT女子座談会」は、「ITに携わる女性」にフォーカスをして、登壇者同士で赤裸々にトークしていただく座談会です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のIT人材白書によると、
2019年度の調査で国内IT企業の約1,000社のうち9割以上が人材不足と回答しました。
顧客となる事業会社もDX推進でIT人材を求めているため、
スキルを身に付けたIT女性が活躍する余地は大きいです。
異業種からの転職だけでなく、社内でIT分野への転身を目指す女性もいるため、
「ITに携わる女性」にフォーカスをして、
登壇者同士で胸のうちを赤裸々に語り合う内容となっています。
座談会開催前のご案内
・視聴のあたりの諸ご案内事項について
・「システム管理者の会」について
Web配信による座談会のため、ご参加ご視聴をしていただくためのご案内をいたしました。また、主催である「システム管理者の会」の概要および、活動についてのご案内をいたしました。
座談会開催
・トークテーマ①:登壇者、自己紹介
モデレータ:株式会社山櫻 笠原 祥子 様
ご登壇者 :株式会社インテック 川中 真恵 様
ご登壇者 :第一生命情報システム株式会社 浅見 京子 様
座談会の本編として、モデレータおよびご登壇者の合計3名様のプロフィールおよび
仕事、プライベートのお取り組みをお聞かせいただきました。
本編の動画に関しましては、下記URL先からご確認をお願いいたします。
※「会員限定」となります。
https://www.sysadmingroup.jp/event_seminar/movie/
・トークテーマ②:IT企業における「キャリア・キャリアパス」とは?
インテック川中様:仕事で大切にしていること
女性しかいないデータエントリー課に所属した後に、キーパンチャーやプリントデリバリー業務などにも従事。運用SEになったのは2014年からで、ある業務の要員不足から「やってみない?」と声をかけてもらってからです。サーバー運用が全く分からないレベルから、今では業務リーダーできるまでに成長できました。
(自分が)契約社員なので、正社員へステップアップはしたいですが、とはいいつつも
まずは、キャリアに囚われないで、お客さまや一緒に仕事をしているメンバーを大切に仕事を楽しみたいと思っています。
よく上長が「『Have a Fun!』せっかく働くのだから、仕事を楽しみましょう。職場や仕事に楽しみをみいだしましょう。」と言っています。今は仕事が楽しいです。それはお客さまや一緒に働いているメンバーと良い関係性を築けていると思えるからだと思います。
第一生命情報システム浅見様:「やるべきことをやり切る」の積み重ね
特に「キャリア」を意識してきたわけではありませんが、転機は「役員秘書」になったことだと思います。
対外的なやりとりが多いので、わたしの言葉が役員の言葉と受け取られかねないと思い、常に、私を通じて会社や役員の方を見ているという気持ちで対応するようにしていました。
段取り・調整の仕方や、コミュニケーションなど、実践で多くのことを学びました。このような積み重ねがキャリアなのかなと思います。
具体的に「キャリア」として、「やりたいこと」や、「はっきりとした目標」をもってきていませんし、「目標を持つことが必要」とも思っていません。「自分がやるべきこと」をきちんと理解して「やりきる」ということが大切だと思っています。
そして、ただただ「楽しく仕事をしていたい」ということです。「楽しい」の基準は人それぞれなのですが、ひとりで仕事はできないですし、周りの人に助けられることも多いので、人と交わりながら仕事をしているのが「楽しい」と感じるところかなと思います。
そのときそのときで、自分の好きなことを大切にしながら仕事をしていけばよいと考えています。
・トークテーマ③:さまざまな制度と自分の働き方~ワークライフバランス・ワークアズライフ~
インテック川中様:仕事とプライベートの一体化
運用SEは24時間365日、休日夜間問わず対応が求められているため、夜中にアラート電話で起こされる場合があります。
時差勤務や在宅勤務の制度を活用することで、以前より健康面に配慮できるようになりました。
以前は仕事とプライベートのONOFFを大切にしておりましたが、今はどちらかというとワークアズライフな気がします。仕事とプライベートを一体化することで、仕事のストレスが発生しにくい感じがします。お客様との関係性がいいので仕事が楽しいというのもあるかもしれません。
第一生命情報システム浅見様:仕事もプライベートも集中?!
弊社には計画公休制度があり、法令を上回る年6回の公休取得を推奨しています。
事前に計画しておくことで気軽に取得できるので、仕事もプライベートも予定が立てやすいです。
フリーバケーションといって年1回5日間の連続休暇が取得でき、祝日にあわせて10連休も可能です。
わたしは、こういったお休みを利用し旅行をしています。
控除時間や時間休というものあり、テレワークの間に通院のため1時間ほど抜けたりもできます。
お子さんのいる方は在宅勤務の間に、学校の面談をされている方もいます。
わたしは、お休みの日は仕事のことは考えません。
好きなことが仕事に直結するわけではないですが、いろいろなことに興味を持つことは必ずプラスになると思います。
やはり、好きなことができていると、仕事にも集中できるので、プライベートも思いっきり楽しみたいです。
・トークテーマ④:カツジョ!!~女性活躍推進~
インテック川中様:めざせ管理職100人!
まずは弊社の従業員数は、 2023年4月時点で3,869人、うち女性従業員は1,169人、そのうち管理職は94人、役員は1人となります。
女性活躍推進=ワーキングママにフォーカスが当たりがちですが、一口に女性と言っても、
「結婚している人と、していない人」「子どものいる人と、いない人」一人ひとりが置かれた環境がまったく違います。
2年前に「女性のキャリアと仕事と生活の両立に関する意識調査」がありました。
その中で「ライフイベントを考慮しつつもキャリアを積んでいきたい、成長したい」という女性が50%を超えていました。
弊社は2024年4月には、管理職全体の919人のうちの約100人を女性にすることを目標としているようです。
その目標と50%を超えた女性の思いを達成するためには、ワーキングママに対しての制度の強化も大切ですが、そもそも「仕事を成果できちんと評価する」ということが必要な取り組みだと思います。仕事を成果できちんと評価していただくことで、どの環境に置かれた立場の女性でも活躍しやすい環境になればいいなと思います。
弊社は今後も女性が活躍できる風土を醸成し、働きやすい環境を整備していくようですので、期待をしています。
第一生命情報システム浅見様:制度活用とキャリア支援
D&Iの担当として、「えるぼし」の最上位である3つ星の取得や「くるみん」の取得を行いました。
認定取得したということは、制度が活用されているということですし、女性社員も安心して働けるのではないかと思います。
女性の育児休業取得率は高く、出産を理由に退職する社員はほとんどいません。
短時間勤務制度を利用して、多くの女性社員が活躍しています。
テレワークとのハイブリッド勤務も可能なので、お子さんをもつ社員は働きやすくなっているようです。
ただ、その分長時間勤務をしがちで、周囲もそれに頼ってしまうところもあるので気を付けないといけないですね。
また、育児休業から復職する社員の不安を少しでも和らげるため、「復職支援MT」を開催しています。直近の会社の動きを説明したり、子育てしながら働く社員に体験を語ってもらうなどの時間を設けています。
オンラインでも実施しており、お子さんと一緒に気軽に参加できるのでとても好評です。
男性の育児休業の取得も多くなっていますが、取得期間が短いですね。
男性があたりまえに育児休業したり、短時間勤務したりする社会になると、女性の活躍ももっと進むと思います。
育児をする方ばかりスポットがあたっているようにもみえますが、今後、親の介護などで逆の立場になることも考えられるので、それぞれの状況を理解したいです。
女性のキャリア支援として、「同業の生保IT子会社の女性研修」「女性キャリア研修、上司向け研修」などもあります。
このような機会には積極的に参加して、いろいろな価値観に触れることが大切だと思います。
・トークテーマ⑤:仕事をする上でのモチベーション維持、向上の秘訣って?
インテック川中様:Good Action Award!
【社内】
昨年のシステム管理者アワードで発表させていただきましたが、現在もモチベーション向上のための活動としてGood Action Awardという表彰制度を実施しています。
毎回私は主催者側だったのですが、今年から持ち回り制を導入し私も今回チームMVPをいただきました。
上長から選ばれ表彰されると、やはりモチベーションの向上や維持に繋がります。
【社外】
仕事とは人を助け、人を喜ばせることだと思います。例えばお客様からいつもフォローしてくれてありがとう、迅速な対応をありがとうと感謝のお言葉をもらえると、その喜びの積み重ねが、モチベーションの向上に繋がります。相手に大事にされたければ、まずは相手を大事にすること、これは仕事だけではなく、家族やパートナーにも共通していることだと思います。
第一生命情報システム浅見様:人との対話、気づき
昨年度システム管理者アワードで発表し受賞しましたが、
当社では年に1度、取組み成果が顕著であったチーム・個人をたたえて顕彰しています。
大規模なプロジェクト開発の成果だけではなく、各部で行われている地道な活動や社会貢献活動にもスポットをあてて表彰しています。
その他、社長や役員と語る会を開催したり、同様の悩みを持つ方々を集めてディスカッションをしたり、普段業務の中ではなかなか話さないことを話す機会を作っています。
こういった機会を通して自分の考えを整理したり、他者の意見を聞いて新たな気づきを得たと好評でしたので、モチベーションの向上に繋がればよいなと思います。
個人的なことで言うと、「人と話す」ことでモチベーション向上することが多いです。
誰かと話すことで自分とは違った視点に気づいてハッとします。
ひとりで悶々としていてもモチベーションは上がらず、おしゃべりしたり、運動したりいろいろな方法で発散すると、仕事に対するモチベーションがあがります。
あとやはり、旅行に行って現実逃避ですかね。
モチベーションがずっと高い状態という必要はなく、波があっていいと思いますよ。
質疑応答
Q1.今のインフラ業に限らず、いずれはある種に特化したインストラクターをしたいと思っています。そのため、自分に向いている、または深く興味を持てる方向性を探しています。 情報収集はPod castやSpotifyでIT関連のものを聞いたり、Slackで情シス関連のチャンネルに参加し、イベントなどを探しています。「こんなの面白かったよ!」「これからはこれを学んでおくと需要があると思うよ!」など、面白そうな学びがあれば教えて頂きたいです!
インテック川中様:「ITに関する学び」というとすぐに思いついたのは、G検定(ジェネラリスト検定)です。私もまだ受けたことがないですが、受けてみたいと思っています。
山櫻笠原様:今の時代、IT業界に限らずどの業界でもITに精通した人材は重宝されるのではないでしょうか。
第一生命情報システム浅見様:質問者の方は接客業ご出身とのことで、お客様のニーズを把握する能力が高いと思うので、それを生かしてITに繋げることができるのではないかと思います。IT業界もDX,CXなくして成長できない時代なので、そういったスキルは今後ますます必要になってくると思います。
お三方とも、「とにかく興味を持ったもの、何かこれ面白いと思ったものに着手してみると広がっていくのではないか」とのご意見で一致しました。
Q2.社内コミュニケーションのコツ、気にしてることは?
インテック川中様:コミュニケーション能力が高いと言われることが多いのですが、私がしているコミュニケーションとは?とこのテーマを機に考えました。結果、ただ当たり前のことをしているだけだと分かりました。
例えば…職種、立場などに関わらず、私に関わる人の名前を覚える、挨拶をする、一言声をかける、感謝の気持ち「ありがとう」を言う、など当たり前のことですが、大切にしています。
座談会終了前のご案内
・アンケートご案内
・「システム管理者の会」からのご案内
座談会のクロージングということで、アンケートをご案内しました。「システム管理者の会」からは、7月12日開催の「第17回 システム管理者の会 感謝の日イベント」に関してご案内をいたしました。
「認定講座」についてはこちらをご参照ください。
「システム管理者アワード」についてはこちらをご参照ください。