PC更新とリユース活動とデータ漏洩防止

第2回  PCリユースのボランティア活動

概要

3回にわたり、約12,000台のPC更新の苦労とそこから生まれて私のライフワークとなったPCリユース活動やデータ漏洩の防止について、ご紹介します。

前回は、3年間で実施した12,000台のPC更新の話でしたが、その時にまだ使えるPCが大量にあることに気が付きました。PC更新後は、2年目から利用料を利用者負担としたので、更新間もないPCを利用している場合に、そのPCを廃棄するのでは更新を説得するのも困難でした。

PCリユース活動を行っているいくつかのNPOに機器の提供を相談しましたが、どこも無料で引き取ってくれるところはなく、運営費用として協賛金を求められました。またデータ消去の問題も心配でした。一度はあきらめましたが、自社で廃棄するにも費用がかかるので、その範囲内で対応できる二つのNPOを見つけ、一定仕様以上(Celeron400,64M,4GB)のPCを寄付することにしました。これまでに通算1,000台以上のPCをこれらのNPOを通して学校や福祉施設に寄付してきました。

最近は弊社のPC更新が完了し、すべてリースになったので、グループ会社からの提供を受けるようになりました。たまたま今年から業務としてグループ会社(約200社)のITの窓口業務をするようになったので、四半期ごとの請求書送付時に協力依頼の手紙を同封することで、グループ会社からの提供も増えてきました。広報部もバックアップしてくれるようになり、わずかですが、ボランティア基金から予算を回してくれるようになり、故障した部品を交換したり、欠損した部品の調達もできるようになりました。現在はITセンタでボランティアメンバーを募り、昼休みにPCの清掃や故障の修理、データ消去、梱包を行っています。私も二つのNPOのメンバーとなり、運営にも関わるようになりましたし、PCリユースの活動は私のライフワークとなっています。

会社の業務としてもIT機器の廃棄担当を買って出ました。PCを集めるのに、これほど良いポジションは他にありません。廃棄されるゴミの中からお宝を探す楽しみもあります。最近は海外支店からも廃棄物の相談を受け、仕様の良いものは空輸しています。廃品回収で空輸するのは私だけかもしれません。これまでで最高仕様のPCはP3-1.6GHzのPCです。DVDやCDRWがついたものもあります。30数年の会社人生で、やりたいことをやりたいと言ってやらせてもらったのは、これが最初で最後かも知れません。社外でも川崎市と神奈川県で産廃やNPOに関わる検討委員会の委員になり、公私ともに半分はPCリユースにかかわっています。

BSP社にも私の活動を紹介したら、PCの提供をしていただいたことがあります。この時はNPOのメンバーと一緒に17時過ぎに品川のBSPオフィスで完全なデータ消去をして、NPOにPCを引き渡しました。社内のPCを数多く集めていると、社員のデータ漏洩に関する意識の無さには驚きます。さすがにBSP社のPCは事前に対応されていました。

次回はデータ消去の都合で私がNPOメンバーにならざるをえなかった事情やいかに簡単にデータが抜き出せるかを警鐘の意味でご紹介します。

連載一覧

コメント

筆者紹介

空飛ぶ廃品回収業者

長年Beaconユーザ会で研究活動の第一線で活躍され、その後、研究会会長、ユーザ会幹事等を歴任されました。運用部門に8年在籍後、データベース設計、海外システムの開発・運用、インフラ系の整備推進等の多くの業務に精通されたシステム部門の「匠」的存在の方です。 現在は、会社でのお仕事は勿論のこと、本文にもありますNPO活動、奥様との月1回の国内外の旅行等、盛りだくさんの日々をおくられています。

バックナンバー