今回は、「SLA合意書と契約の進め方②」として、SLA合意書の書き方についての解説を記載していきたいと思います。
まずは、SLA合意書として記載したい、タイトルとその内容について下表にまとめてみました。
SLA合意書としてはこのような内容が考えられます。
この内容を記載する際に注意を払いたい部分としては、これまでも述べてきたように、ビジネス側要件であるビジネスの視点が重要であり、IT視点で記述してしまうと理解が得られないでしょう。
また、IT用語を使いすぎてしまうことも同様です。ただし、IT用語を一切記載しないということも無理な話だと思いますので、必ず用語集などをつけて、よりお互いの理解を深められるようにしていくことが大事です。
今回の目次を例に実際にSLA合意書を作成すると、次のようなものが出来上がります。
この合意書ですと7つのSLAを含んでおりますが、最初から多くの項目を取り入れる必要はありません。あまり手を広げずにスモールスタートをして確実に成果を上げてください。
目標設定をする項目で一番良いのは、運用側では、あまり見る機会は無いかもしれませんが、その業務アプリケーションを構築した際の、要件定義書などは参考になるかもしれません。要件定義書は、主に利用者のビジネス要件をITに変換したかたちで書かれておりますので、SLAの項目になりうることが多いです。
また、今回の合意書は、あえてペナルティを記載しておりせん。SLAはあくまで、IT側主導ではなく、ビジネス側とIT側が融合して初めて成立するものとして、未達の場合は、双方でのその起因を取り除くような改善活動を行うことと記載しました。
そもそも品質を向上して行くうえでは、その部分が一番大事で罰則や褒章ではないという考えをもとに作成しました。
すべてのお客様に当てはまるかどうかという問題はありますが、もう一度SLAの在り方、あるべき姿を考えそういった記述にしました。
今回でSLAの流れ全体のお話はできたと思っておりますので、本掲載をもって最終回とさせていただきます。
今後SLAについて何かご不明な点や実際に悩んでいることなどがございましたら、書き込み活かすに書き込んでいただければ幸いです。多くの意見をいただいたものは、臨時掲載をさせていただくことも検討します。短い間でしたが、拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
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筆者紹介
株式会社ビーエスピーソリューションズ
ITサービスマネージメントグループ
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