JMC ISO20000

第6回 「ISO20000の規格について(6)」を掲載

概要

ITサービスマネジメントシステムの国際規格「ISO20000」を解説するコラム。 要求事項ごとに考慮すべきポイントを交え、スムーズに構築を進めるノウハウをご紹介します。

「ISO20000の規格について(6)」

前回は、『6.サービスデリバリプロセス』の全体概要のお話をしました。
今回は、『6.1サービスレベル管理』についてです。

『6.1サービスレベル管理』では、大きく2つの事項が要求されています。
1つ目は、SLAの策定について。
2つ目は、策定したSLAを管理する体制についてです。

一般的に、SLAとなると保証項目に着目されていますが、ISO20000では、
保証項目だけではなく、その管理体制が要求され、どちらかというと管理体制が強く求められます。

具体的には、SLAをレビューする方法、監視する方法、報告する方法、SLAの未達があった場合の対応、
そして、SLMを改善する方法です。
要は、SLAの設定の仕方(PLAN)から、合意の仕方(DO)、監視、報告、レビューの仕方(CHECK)、
そして、改善の仕方(ACT)というSLAのPDCAをまわすことが要求されています。
ですので、『6.1サービスレベル管理』を実現するには、以下の方法を決定する必要があります。

SLAの策定の仕方
SLAの合意の仕方
SLAの変更の仕方
SLAの監視の仕方
SLAの報告の仕方
SLAのレビューの仕方
SLAの改善の仕方
ここで、注意していただきたいのは、監視の仕方です。
そのほかの方法については、既存業務の+αで実現が可能です。
たとえば、SLAの策定の仕方であれば、会社での契約書の策定の仕方があるかと思います。
合意の仕方も既に既存の業務の契約の仕方があり、報告も同様かと思います。

ただ、サービスレベルの監視については、合意したサービスレベルの達成を証明する必要があり、
客観的な指標による監視が必要です。

ただ単に”達成できています。”では、合意された顧客も納得がいきませんし、不信感を抱かれてしまいます。
合意された顧客の信頼を獲得し、満足いただくためにも顧客が納得する監視の仕方で、
サービスレベル達成の証明をすることをお勧めします。
(というよりは、サービスレベル(品質)の保証を契約しているわけですから、必須です。)

ただし、厳しい監視を行ってしまうと既存業務を圧迫しかねませんので、
業務の負荷状況と客観的指標の観点での監視方法の決定が必要になります。

次回は、『6.2のサービスの報告』についてお話します。

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筆者紹介

株式会社JMCリスクソリューションズ 吉岡努

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