JMC ISO20000

第11回 「ISO20000の規格について(11)」を掲載

概要

ITサービスマネジメントシステムの国際規格「ISO20000」を解説するコラム。 要求事項ごとに考慮すべきポイントを交え、スムーズに構築を進めるノウハウをご紹介します。

「ISO20000の規格について(11)」

今回は、「6.6 情報セキュリティ管理」について解説します。

この情報セキュリティ管理は、ISO20000の要求事項の中で
大きな落とし穴になる可能性がある要求事項です。

というのは、この情報セキュリティ管理では、要求事項の題名通り、
ITサービスの情報セキュリティの管理が要求されています。
概要としては、サービスへのアクセスに関するISMSの確立の要求です。

具体的に、どのようなことが要求されているか、簡単にまとめると以下になります。

(1) セキュリティ基本方針の策定と公開
(2) セキュリティ基本方針で定めた内容の実施
(3) サービスとシステムのアクセスに関するリスクマネジメント
(4) リスクマネジメントから必要とされるセキュリティコントロールの文書化
(5) 変更に伴う影響評価
(6) 外部組織に関する取り決め
(7) セキュリティインシデントの管理
(8) セキュリティインシデントの分析
(9) 情報セキュリティ管理の改善方法

上記の内容をみるとISO27001を取得している企業であれば、どこの企業でも確実に実施している事項です。

注意点を一つ挙げるとすれば、ISO20000の適用範囲と一致しているかどうかです。

一方で、ISO27001を取得されていない企業にとっては、非常に手間の掛かる要求事項になります。
まず要求事項の中で、特に作業に時間が掛かるのが、「(3) サービスとシステムのアクセスに関する
リスクマネジメント」と「(4) リスクマネジメントから必要とされるセキュリティコントロールの文書化」です。
これは、上記でも記述したように、サービスにおけるISMSの確立を意味し、
大げさに解釈すると2つのマネジメントシステムの構築が必要になるからです。

次回は、「(3) サービスとシステムのアクセスに関するリスクマネジメント」と
「(4) リスクマネジメントから必要とされるセキュリティコントロールの文書化」に、
どのような対策が必要になるかをご説明したいと思います。

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筆者紹介

株式会社JMCリスクソリューションズ 吉岡努

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