「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第9回】 体裁のいいマニュアルよりも日々作業で使うドキュメント作りを

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

今回は引き続き、運用管理での主な管理事項とドキュメントについて簡単にまとめてみましょう。 
ドキュメントやマニュアルなどで大切なことは、あればいいものではなく、 あっても使われないものは作っても意味がないものになります。 
重要なのは普段の作業の中で必ず使われるということです。 
よく見かけるのは体裁のいい運用マニュアルや操作マニュアル類ですが、よく使われていますか? 
確かに初めての時などには熟読したりはすると思いますが、通常作業の中ではだんだんと使われなくなり、 メンテナンスも余りされないまま保管されてるということはないでしょうか? 
本来運用として必要なドキュメントやマニュアルは、
  • ルールや基準・規定、取り決め事項
  • 作業の指示や手順、確認
  • 作業として管理する情報
  • 作業の状態やケースでの対応
などのような日常の作業で必要となる情報を、マニュアルではなく管理簿や指示書・手順書などに落とし込み、 作業者の目に触れさせることでいつも最新化させることです。 
また、ルールや取り決め事項の結果で作業や条件になってるはずなので、それらが指示書やチェックシート類などに 展開しておくことで、改めてマニュアルを検索せずともルールや決め事が作業の中で自然に引き継がれるようになります。 
(注) ここで掲げたドキュメント類は作業事項での基本的なものであり、名称はもちろん管理方法や役割、 また作業方法などによっても異なります。 
 

運用管理体系

掲載資料1
 

スケジュール管理でのドキュメント

掲載資料2
 
掲載資料3
 

運行・監視管理でのドキュメント

掲載資料4
 
掲載資料5
 

入/出庫管理でのドキュメント

掲載資料6
 
掲載資料7

連載一覧

コメント

筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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