「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第14回】 対外、あるいは外部との関わる管理は取り決め事項は特にしっかりと

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

昔は梅雨が明ければ連日猛暑の夏が、今年は焦げるような暑さの夏日や各地で記録破りのゲリラ豪雨、かと思えばいきなり秋を思わせるような過ごしやすい日と、一体地球はどうなってるんでしょうかね(泣)・・・・・・・・・
温暖化の影響で気象が段々と変わってきてるからなのでしょうが、ちょっとした変化でこれだけの影響だとしたらこれからはどうなっちゃうんでしょうか。
 
不景気に追い討ちをかけるように日照時間が短いことで野菜類が値上がりする気配だとか、政治ではマニフェストでの財源論議で消費税率アップが公然と出始め、せっかく立ち直りかけてきた景気がまた悪化するのではと心配になるのは私だけでしょうか?
 
景気対策で増産に向かい始めた製造業では解雇した人材を再雇用し始め、景気が持ち直してきてることをニュースで時々耳にしますが、下々の私としては景気が上向いてきてることはまだ実感するまでにはなってませんしむしろ底でもがいてる状況なので、実感できるまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、みなさんの所ではどうでしょうか?
 
運用の方々とお話しても改善や効率化、自動化などのテーマはかき消され、今は何もせず現状維持のユーザがほとんどで、どことなく元気さが感じられませんが、こんな時世だからこそ運用は元気でいてほしいものです。
 
さて、今回は障害管理、貸し出し管理、デリバリー管理シリーズの最後で、運用マニュアルなどでの目次(参考)についてまとめてみます。
次回からはドキュメント管理、データ保管・管理、実績管理のシリーズに入りますが、ここまで少しはみなさんのお役に立ててればいいのですが・・・・・・と、心配しつつも本題に進みます。
 

運用管理体系

掲載資料1

障害管理

掲載資料2
掲載資料3

障害管理のワンポイント

    □ 発生した場合の通知レベルの統一
    □ 発生した場合の基本的な対応を明確に
    □ 監視ツールはオペレータの一人
    □ 監視フィルターは随時最新化を
    □ 連絡先の最新化
    □ 発生状況での対応手順の最新化
    □ 発生した状況の把握や切り分けがしやすいように
    □ 新しい手順や対応を増やす前に従来の手順や対応に極力合わせる
    □ 対処で終わりではなく、運用標準や開発規程、設計事項、引継ぎなどに反映を
    □ 定期訓練で対応の検証や漏れなどの確認

貸し出し管理

掲載資料4

掲載資料5

 

貸し出し管理のワンポイント

    □ 本番運用以外で媒体類の外部からの持込や外部への持ち出しは禁止
    □ 本番データが持ち出せないよう本番環境と開発/試験環境とは分離
    □ 本番環境データの使用は禁止(アクセス制限や履歴管理)
    □ 入室/退出、入館/退館での荷物検査
    □ 単独行動での作業を禁止(牽制)
    □ 使用媒体の消去(消去文字上書き)
    □ 個人情報などの暗号化

デリバリ管理

掲載資料6

掲載資料7

 

デリバリ管理のワンポイント

    □ 個人情報などの暗号化
    □ 返却媒体の消去(消去文字上書き)
    □ 受付媒体の読み込み済みデータ消去(消去文字上書き)
    □ 受付媒体の読み込みデータの保存は行わない(クレジット情報など)
    □ 受付よりも返却や発送に注意
    □ 媒体類などの取り扱い体制や作業ルール
    □ 外部からの受付から一時保管、梱包から発送までのプロセスで、紛失や漏洩の可能性チェックを
    □ 受付から一時保管、梱包から発送の定期訓練および紛失や漏洩想定訓練
    □ 情報の輸送はセキュリティー便
    □ 到着遅延、発送遅延での対応や調整の取り決めをしっかりと

連載一覧

コメント

筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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