「運用ゲンジン」が提供する「運用設計のポイントと管理ドキュメント」

【第17回】 運用情報は運用にとって強力な武器!!

概要

2005年10月から2006年3月に、システム管理者の会サイトの前進である”カイゼン活かす”サイトに掲載され、その後も根強い利用がある「運用規約、運用設計書」の筆者である「運用ゲンジン」ことITシステム運用コンサルタント沢田典夫氏のコーナーが復活します。今回は、より具体的な内容で運用設計のポイント、運用の管理項目とプロセス、運用設計基準書内容等について、テンプレートを多数公開していただきます。
皆さんの運用カイゼンにお役立てください。

早くも10月!
 
今年も残り2ヶ月ちょっとになり、あと少ししたら『今年は・・・・・』、また、『来年も・・・・・』なんて会話が増える時期になるんですね。
その頃には景気が少しでも回復してほしいものです。
 
今回はドキュメント管理、データ保管管理、実績管理シリーズでの【管理事項と管理ドキュメント】についてまとめます。
 
実績管理では主だった運用情報を抜粋しましたが、取得できる情報はこれ以外にもまだまだ沢山あります。
多すぎても分かりにくかったり、少な過ぎてあまり活用されなかったりもします。
手間隙もかかりますし、皆さんにとってどんな運用情報が重要なのか、よく検討して収集してください。
 
運用情報は単に収集・蓄積してるだけでは何の意味もなく、例に掲げたような情報を分析することで運用の現状を浮き上がらせたり、
問題点や改善点を見出したり、また、予防・未然処置、あるいは開発時での運用設計などにも活用でき、運用にとってもっとも重要な情報だと言えます。
 
単に運用情報を収集してるだけ、あるいは運用情報がうまく活用されていなければ、めくらで運用してるも同然です。
運用情報からシステムの稼動状態、環境状態、人の動きなどがイメージできるよう、運用情報を運用の武器として上手に活用してください。
 

運用管理体系

掲載資料1
 

ドキュメント管理

掲載資料2
掲載資料3
掲載資料4
 

ドキュメント管理のワンポイント

    □ ①作成は得意でも保守が苦手
    □ ②運用にとってドキュメントは命! 保守を後回しにはせず、いつも最新化を(付箋、赤字、メモを活用)
    □ ③コピーを多用せず、ワンベストで
    □ ④保管以上に廃棄も大切
    □ ⑤作業に関連するドキュメントがリンクされてない

データ保管管理

掲載資料5

掲載資料6

掲載資料7

 

データ保管管理のワンポイント

    □ ①保管がしっかりしてても、関係部署が多い分、漏洩や紛失が起こりやすい
    □ ②各役割での作業はダブル体制で厳密に行う
    □ ③各役割で、漏洩や紛失を想定した訓練(発覚・報告~発見)と作業の改善に
    □ ④媒体にはICタグやバーコードで関連作業のシステム化を
    □ ⑤媒体は漏洩や紛失の事故のもと。媒体は廃止の方向で
    □ ⑥個人情報の暗号化やカード情報の保存の見直し

実績管理

掲載資料8

掲載資料9

掲載資料10

 

実績管理のワンポイント

    □ ①運用情報は運用の最大の武器
    □ ②単に収集・蓄積だけではめくらで運用してるのと同じ
    □ ③システムや環境、人の動き、負荷、空き、集中、大変さなどが運用情報からイメージできること
    □ ④運用情報の収集・分析はできるだけツールで集計・分析を
    □ ⑤分析は数値だけでなくビジュアル化と考察を大切に
    □ ⑥運用情報は現状把握、問題点や改善点、未然・予防措置、運用設計などに活用

連載一覧

コメント

筆者紹介

沢田 典夫(さわだ のりお)

1951年生まれ。運用との出会いは某銀行でのオペレータに始まり、7年間富士通 フィールドSEとして多くのメインフレームの導入の企画提案、移行、OS試験、環 境設計や構築~チューニング、また業務システム開発などを手掛ける。また、某大手 トレーディングスタンプ会社で13年間、コンピュータの導入、業務システムの開発 (物流・販売・財務・経営)および運用を行い、この時に開発の標準化、自動運転環境構築、運用設計や運用改善、また、運用ツールの開発などを手掛け、運用の基盤を 確立する。その後BSP一期生として入社し、運用診断や運用企画、また、運用設計 を重視した運用ツールの導入などを行い、コンサル事業の基盤作りを行う。その後運用コンサルとして独立し、これまでの経験を生かし、運用する人の立場に立ち、ま た、運用改善は永遠のテーマを掲げ、16年間一匹狼で運用と向き合ってきました。

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